IVUSA TIMES

日本最大級のボランティア学生団体IVUSAの素顔が読めるWEBマガジン

「非日常にわくわくする」橋本美沙季さん

インタビュー第11弾は東日本研修統括局、局長の橋本美沙季さん。

裏の現場とも言える”研修”について話をうかがってきました!

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― 今日はよろしくお願いします。自己紹介をお願いします。
 東日本研修統括局局長の拓殖大学4年橋本美沙季です。よろしくお願いします。


― では、まずIVUSAに入ったきっかけから教えて下さい。
 高校生の頃に、東日本大震災原発の周りが立ち入り禁止区域になって飼えなくなった犬猫たちを関東まで連れてきて新しい里親さんを探すっていうボランティアをしていて。

本当は動物関係のボランティアを続けたかったんだけど無かったから、じゃあ誰か人のためにボランティアしようと思って。大学に入ったらIVUSA以外にも別のボランティアサークルもあったんだけど、IVUSAの説明会での先輩の笑顔に惹かれて入ろうってなったのがきっかけです。


― 元々高校の頃からボランティアに興味があって…という感じですね。元々動物は飼われていたんですか?
 猫が凄く好きで、今も家に一匹います。大好きだからこそ、動物たちになにか出来たらいいなって。力になりたいなって思いました。

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写真:美沙季さんのお家の猫

― 震災直後に話題になりましたよね、津波で流された資材の上に犬が取り残されているの、凄く印象に残っています。
 うんうん。今もシェルターがあって、犬と猫の世話をしたり東京で猫の餌を集めて持って行ったりしています。


― 現在でもあるんですね…。美沙季さんはIVUSAで研修のインストラクターをされているとお聞きしましたが、具体的にどんなことをされているんでしょうか。(※1)

 そうね、わたしは新入生に向けた研修の運営とか、前に立って講習をしたり教えてあげたりとか。一緒に学んでるいう感覚です。これから色んな人とボランティア活動をしていく上で、どんなコミュニケーションが大事なんだろう、自分が先輩になったときに後輩にどうやって教えてあげたらいいのか、と考えながら学んでもらっています。インストラクターは実際にみんなの前に立って教える形になるんだけど、わたし研修統括局長だから前に立ってやるっていうよりもインストラクターへの運営面の助言や日程調整に関しての取りまとめが多いかな。

(※1)IVUSAでは活動に参加する前に、活動現場に出るために必要なマインドセット(心構え)とスキルを学ぶために事前研修を行っています。詳しくはこちら


― インストラクターたちのマネジメントですね。スケジュール管理が大変そう…。
 もうね、大変!(笑)。他のボランティアの予定と被って動員数が少なくなりそうだから別の日に移動したり、でも変更した日程にすると今度はインストラクターさんたちが集まれないこともあったりするから難しいんだよね(笑)。


― 一番苦労した事はなんでしょうか。
 わたしがインストラクターになりたての頃の去年の春合宿のときに、たしか100人ぐらいを5,6人のインストラクターでみる状況になって。新人研修に「危機対応講習」ってあるんだけど、搬送法とか身体を動かすから結構危ないのね。だからその安全管理をするのもインストラクターの仕事なんだけどそれが見きれなくて…。結局事務局の方とOBの救急救命士の方が来てくれて、その人を中心に学生はアシスタントにまわってなんとか乗り切ったという感じ。
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写真:研修中の様子


― おおお、大変な分やりがいがありそうですね。
 あるある。新入生が高校生と大学生の違いを感じてもらう事がそこにあって、ボランティアはやりたい人がやらせてもらえるみたいな簡単なものではないことやいろんな責任について研修を通して学んでくれて。最初挨拶するときと最後のお疲れ様でしたを言うときの顔が全然違うんだよね。シャキッとするというか、気合い入ったような顔をしているように見えるんだ。若干疲れているような感じもあるけど(笑)。 


― 学校で研修を行うときは何人くらい集まるんですか?
 受講生は最大50人で、インストラクター6,7人で見るって感じかな。それぐらいが理想で安全を確保できるんだ。だいたい10人をひとりのインストラクターが見るかな。


― なぜインストラクターをやろうと思ったんですか?魅力を感じる部分はどこでしょうか。
 なんでかな(笑)。やっぱり一番最初は自分が新人研修を受けたときの先輩が凄くかっこよくて、包帯をピッてやる姿とかに憧れたのがきっかけかな?色々研修に関わることが多くて、気がついたらというのもあるけど2年生のときの活動報告会で災害シュミレーション劇の役者をやっていて、そこでの経験だったり新人研修のお手伝いをしたりして自分も教える側になりたいなって。

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― そうだったんですね。素敵ですね〜。今までプロジェクトはどんなところに参加されましたか?
 わたし凄くバラバラなんだよね。1年生のとき初めて行ったのは栃尾のひまわり隊で、夏にフェニックス(※2)と九十九里に行って秋は竹林に行って。冬は関西の里山保全活動に友達に会いにいくついでに参加しました。自分が行きたいって思っていくよりも、誰かがいるからって行くのが多いかな。あと子ども隊も行ったな。2年生になってからは活動報告会やって、栃尾のMTやって、夏は海外に行ってたから何も無くて、秋に多摩川清掃に参加して、その勢いで雪原の財務をやって、活動報告会のサブリーダーやって…みたいな(笑)。

(※2)新潟県長岡市栃尾まちづくり活動。活動レポートはこちら


― 凄く色々なことされてきたんですね!!その中でも一番思い出に残っているプロジェクトってどこですか?
 1年生のときのフェニックスかな。1年生だからなんでも新鮮に感じるっていうのもあるんだけどね。花火の街頭募金をするんだけど、通り過ぎていくお客さんとか地元の人たちが千円札とか一万円札をバンバンいれていくの。若い人たちもお財布ひっくり返して全部入れてくれるような感じで。


― 凄く地元の方に愛されているんですね。町の活性化にも力を入れているというか。
 地元の方の他にも、フェニックス花火をもっと続けていってほしいっていう観光客の方たちの存在があって。そんな方たちがいっぱい協力してくれるから、自分たちは次の日声が枯れて出なくなるくらい呼びかけをしました。それが凄く印象的だったかな。


― フェニックスの花火は視界一面に広がると聞いた事がありますが、実際の所どうなんでしょうか。
 本当その通りだと思った!視界全部花火なの!プラネタリウムみたいな感じかな。花火に圧倒されるので是非一度見てほしいです。

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― 先ほど海外に行かれていたと話されていましたが、留学ですか?
 はい。短期留学でカナダのバンクーバーに行きました。ホームステイだったんだけど、一緒に来てた韓国人の女の子が凄く美人で…ホストファミリーと話すっていうより、その子と話せるようになりたくて頑張って英語勉強してたよ(笑)。嬉しいことに、今でも連絡をとっています。


― 英語を話す上で苦労はありましたか?
 ホストファミリーがフィリピン系の所だったんですけど、少しなまりがあってイントネーションが違ったりして。慣れるまで中々聞き取れなかったので苦労しました。それ以外は特に無いかな。毎週ホストファミリーが日本には無いような遊び場所に色々連れて行ってくれて、本当に毎日楽しかった!

― ご飯はどうでしたか?
 基本的に味が濃くて、量が多かったです。食べ終わってもどんどん出てきて(笑)。朝は基本シリアルなんだけど、食べ終わって置いておくと「箱にまだ残ってるじゃん」って言われて。毎回食べきりみたいな(笑)。
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写真:留学中お世話になった先生と



― 凄い食生活なんですね(笑)。話題が少し変わりますが、高校時代は部活など入ってましたか?
 みんなには軽音って言ってるんだけど、部ではなくて個人的にバンドを組んで友達とスタジオで練習したりライブをしたりしていました。


― えー!!楽器は何担当でしたか?
 ベースやってたよ!音楽が好きで始めました。今ではもう弾く機会はないんだけど、よくライブに行っています。夏はフェスに行ったり、地元の八王子のライブハウスによく行ったり…。


― 凄く意外です。失礼かもしれませんが、第一印象で美沙季さんはパンケーキが好きそうな感じの方だと思っていたので…(笑)。
 いやいやいや、全然違うからね(笑)。料理は一応出来るんだけど、お菓子は分量きっちり計って作るのが苦手だからできないんだ。あとね、わたし大学1年生までは金髪のショートカットとかだったんだよ(笑)。

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写真:金髪のときの美沙季さん



― 今年の夏も結構がっつりボランティアに関わるんですか?
 そうだね。新潟県の関川大したもん蛇祭りでは安全管理をして、千葉県の九十九里浜全域清掃大作戦では研修のインストラクターの統括をします。


― やっぱり、4年生でプロジェクトに参加するとなると気持ちの変化はありますか?
 4年生は1〜3年生の子たちがやっていることの確認とか指摘をして、一歩下がって視野を広く持つべき人だと思うんだよね。つい、それわたしやるよって言っちゃう時があるんだけど、後輩の成長を考えるとそれを抑えなきゃいけないから難しい(笑)。どうやって指示をだしたら動いてくれるか、とか学びながらやっています。


― では、最後の質問をします。あなたにとってIVUSAとはなんでしょうか。
 IVUSAに入って、他の大学生とは違って夜遅くまでSkypeで打ち合わせをしたり、土日は会議や研修で集まったり、先輩との関係も独特なところがおもしろいし、社会に出る準備なのかなとおもう。飲みサーみたいなのに入るよりずっと美味しいお酒を飲めて(笑)大切な仲間もできるし!わたしたちには日常になってることが、まわりにとっては非日常であることに気づく度にわくわくするし、その環境が良くも悪くも(笑)成長につながっているなあと感じてます。

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― そういった経験が自分にとって自信になりますよね。今日はありがとうございました。

インタビュー、編集:杉山佑希(日本大学3年)
カメラ:川島宏美(日本大学3年)

【編集後記】
 容姿、話し方共にとっても可愛らしい方で、インタビュー中はわたしも緊張していました(笑)。ボランティア活動もプライベートも自分の好きな事にまっすぐな所が素敵だと思いました。