IVUSA TIMES

日本最大級のボランティア学生団体IVUSAの素顔が読めるWEBマガジン

「共育と共走の場」熊王尚弘さん

インタビュー第25弾は、東京市ヶ谷区クラブ4年、東日本会員管理局長の熊王尚弘さん。

普段触れる機会が少ない会員局について伺ってきました。

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― では最初に自己紹介をお願いします。

 はい。東日本会員管理局長を務めさせて頂いております、東京市ケ谷クラブ法政大学4年の熊王尚弘です。よろしくお願いします。ここはもう絶対来ると思って、予習しておきました。


― ははは、凄くなめらかに自己紹介されましたもんね(笑)。準備ありがとうございます。早速ですが、会員管理局について詳しく教えてもらえますか?


 まずIVUSAの中心って班だと思うんですね。その班を運営していく班長が大事だからこそ、選挙に立候補したグループ長たちが班長の補佐をしたりすると思うんです。会員管理局は、そういった人たちを本部という立場から一括して指示を出しています。


― より人と関わることが多いんですね。

 そうですね。班と関わる=コミュニケーションをとるということなので、それでIVUSAが成り立っているところもあると思います。


― なぜそもそも会員管理局をやろうと思ったんですか?


 流れとしては幹部選挙にでて当選して、会員管理局の立場を学生代表の池田君から指名してもらった、となります。でも元々僕がやりたかったこととして、IVUSAを通して3000人の会員がやりたいことを叶えたり、理想に向かって歩んでいけるものを提供したいという想いがあったので、会員管理局を引き受けました。一人ひとり考え方は違うし、IVUSAに入ったきっかけやボランティアを続けている理由も違うので一筋縄ではいかないですが、難しいからこその面白さや人と関わっていくことの楽しさを日々感じながらやっております。
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― そうなんですね。事前情報ではシャイだとお聞きしていたんですが、全然そんな感じしないですね(笑)。


 いやいや、圧倒的に僕はシャイですよ。人と関わるのは苦手だけど好きなんです。自分でシャイっていうの恥ずかしいですけど(笑)。


― ははは(笑)。会員管理局会議っていうのは月1のペースで開かれているんですか?


 会議がない月もあるんですが、基本的には月1回ですね。エリア毎の担当の4年生やクラブ長グループ長が参加して一緒に問題解決していきます。僕の今までのIVUSAでの経験を次の世代に向けて活かせるのは良いことなのかなと思います。


― これまではどんな活動に参加してきましたか?

 夏の利島活性化活動や沖縄の遺骨収集活動、海外の活動ではカナダとカンボジアに行ってきました。(※1)

(※1)
利島活性化活動。
沖縄県戦没者遺骨収集活動。
カナダ海洋漂着瓦礫清掃活動〜愛、つなぐプロジェクト〜。
カンボジア学校建設活動。

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写真: カナダ海洋漂着瓦礫清掃活動~愛、つなぐプロジェクト~


― 活動は分野に縛られずに参加するという感じなんですか?

 そうですね。もともとは中学時代に「世界では5秒にひとり子どもが餓死している」っていうのを聞いてから国際協力に興味を持ってIVUSAに入ったんですが、高校時代に東日本大震災を経験してから僕たちのやっていることが現地の方々のためになるのであれば分野にとらわれず活動に参加したいと思いました。

― 実際に現地にいって、目にしてみてどうでしたか?なにか感じることはありましたか?

 カンボジアって日本ほど物質的に恵まれているわけじゃないけど、だからこそ今在るものに感謝して楽しそうにしているっていうのを感じました。


― 日本から見たら発展途上国の人たちは可哀想だなって思うけど、現地の人たちは活き活きとしていたり心の豊かさが感じられたりするんでしょうね。

 そうですね。僕たちが現地の人たちのためになにかしようって思うと同時に、幸せそうな表情を見て元気をもらったりしていました。
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写真:第6次カンボジア学校(小学校)建設活動


― なるほど…。いま4年間振り返ってみてどうですか?IVUSA続けて良かったなあとか、経験してよかったなって思うことはありますか?

 続けてよかったなと思える1番の理由は、まわりの人に恵まれたことですね。4年間一緒にやってきた同期はもちろん、支えてくれた先輩方や、後輩でも尊敬できる人ができたりとか。あと、地域や国境を超えた人たちから学ばせてもらったことは、僕にとっての財産だなと思います。


― 後輩たちにメッセージはありますか?

 IVUSAを続けていく中で大変なことはあるとは思うんですけど、何かを乗り越えたときは自分が誰かのためにしたことが、巡り巡って自分に返ってくることもあると思うので、自分がやりたいと思ったことには貪欲になることが大切なのかなと思います。人にどうこう言えるほどの偉い人間ではないですが…(笑)。


― いえいえ、そんなことないです。大学では教職をとっていると耳にしましたよ。

 中学校と高校の英語をとりました。来年は静岡に戻って中学校の先生になります。


― えー!おめでとうございます。教職って単位をとるの大変ではなかったですか?

 教職で扱う教育関係の内容と、IVUSAで実際に先輩後輩や現地の方々と関わったりするコミュニケーションの部分でリンクする部分が結構あったので、理論とか研修を学んでIVUSAで実践ができるっていうところは掛け合わさって良いものができたと思いますね。
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― 机で学んでIVUSAでアウトプットした、ということですね(笑)。

 そんなかっこいいことじゃないですけどね(笑)。


― 教育実習はどうでしたか?なぜ中学校の教師を選んだんですか?

 授業をするときは緊張しましたが、総合的には凄く楽しかったです。中学校は教科指導よりも生徒指導のほうが重要というか…生徒とのコミュニケーションが大切になってくると思うので、その部分に重きをおいて選びました。


― 小さい頃から教師になると決めていたんですか?

 うーん、そこまではっきりとは思っていないですね。でも学校という空間で授業意外にも学べることがあって、そういう時期になにかを与えられる人でありたいなと思っていたので教員免許は取ろうと思っていました。


― すごいですね。話変わってしまうんですけど、趣味特技はありますか?

 趣味特技か…(笑)。最近趣味をみつけようと思っていて、読書はしています。読むのが凄く遅いんですけど。それ以外に趣味が欲しくて、ネットで「趣味 一覧」って検索するのを趣味にしています(笑)。
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― なるほど(笑)。でも聞きましたよ、ドラクエが好きらしい…と(笑)。

 うわ。ドラクエはいいですよ。ほんと。


― どういったところがいいんですか?(笑)

 ドラクエについてなら何時間も語れる気がしますよ。これが記事に載ると思うと嫌なんですけど、ドラゴンクエストはゲームを通して教わることがたくさんあるんですよ。人生はドラゴンクエストだと思っているんです(笑)。


― 壮大ですね!!(笑)。


 ボランティアもリンクすると思っていて。ボランティアって社会問題の解決のためにあるじゃないですか。ドラクエにも魔王という敵を倒す=社会問題を解決して平和な社会をつくるっていう目的があるんです。それで、ボスを倒すためにレベルをあげなきゃいけないんですよ。武器を強化したり手に入れたり。IVUSAや人生でも、色々な人に話を聞いて自分自身がちゃんとした人間になるために教養を身につけないといけないし。会員管理局もそのひとつになりますしね。人生の方向性やこれからどんなことをするべきか人と話して決めていくと思うんですよ。ドラクエだって町に行っていろんな人と話して進めていくし、よりよい人生を送るためには必要だと思うんです。なにより、ひとりでできることって限られると思います。ドラクエでは仲間を集めて魔王と戦うんですけど。ボランティアでは「やりたいことは周囲を巻き込もう」とあるように、解決を図って人生を組み立てていくと思うので。


― うまく落とし込みましたね(笑)。よし、一回IVUSA TIMESでやってみますか!(笑)。

 是非やってみてください(笑)。


― では最後の質問になりますが、熊王さんにとってIVUSAとは?

 予習してきましたよ(笑)。僕にとってIVUSAは「共育と共走の場」だと思っています。教育って教え育てるって書くじゃないですか。でも、その言葉の主語って教師ですよね。教師が生徒に教えて…っていう感じなんですけど、学校でも生徒が中心であってほしいと思っていて。あくまで生徒が育っていく環境があって、それを教師がサポートして、人と接して先生も育っていくっていう願いを込めてこの言葉を使っています。共走っていうのは、利島のカウンターパートの方に教えて頂いた言葉なんですけど、日々社会が大変だったりするなかで、競い合うんじゃなくて共に支えあって走っていく姿勢が大事だなと。そういう場がIVUSAにはあると思っています。
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― ほお…なんだか金八先生みたいですね。はじめて聞きました。素敵な教師になってくださいね。最後に言いたいことはありますか?

 僕に取材が来てほっとしたことですかね(笑)。取り上げられても盛り上がらないんじゃないかなとか思ったり、でもこのまま声が掛けられないのも寂しいなと思ったり、責め際にありました(笑)。


― いやいやいや(笑)。今日はありがとうございました。



インタビュアー:川島宏美(日本大学3年)
カメラ、編集:杉山佑希(日本大学3年)

【編集後記】
ドラクエに例えたり、今までにない取材内容で聞いているこちら側も楽しかったです(笑)ドラクエをやってみようと思ってしまいました。控えめに話しますが、人と接することがすきなんだなあっと実感できる取材でした。熊王さんはきっと素敵な教師になると思います!