IVUSA TIMES

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第48回「おもろいことを真面目に取り組める場所」吉田陽哉さん

今回のIVUSA TIMESはこの夏の「第4次日生諸島活性化活動」のプロジェクトマネージャーを務める、関西大学3年の吉田陽哉さんです。今年の夏プロ(夏の活動)も最終盤です。ぜひご覧ください!


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―それでは簡単に自己紹介をお願いします。

大阪吹田クラブ関西大学3年の吉田陽哉と申します。今年の夏の「第4次日生諸島活性化活動」のプロジェクトマネージャーを務めます。






―よろしくお願いします。早速ですが、日生諸島活性化活動というはどんなことをする活動ですか?

はい、日生諸島とは岡山県備前市の瀬戸内海に浮かぶ島々です。その中の鹿久居(かくい)島にある「まほろば」という古代体験施設の整備を中心に、諸島全体の活性化を目指す活動です。



―そんな施設があるんですね!活動が始まったきっかけはなんですか?


「まほろば」を作ろうと提案したのが、備前市議会議員をされているIVUSAの事務局の方の叔父さんなんです。その方から、開業してから時間が経ち荒れていた「まほろば」を整備して欲しいという話を受けて活動を行ったことが始まりです。

そのつながりから、今年の3月に行われた3次隊では備前市の方からIVUSAをモニターツアーに招待していただきました。そこで備前市の観光地や観光資源を自分たちで体験し、それをもとに出た地域活性化のアイディアを備前市の町営業課に提案する活動をしました。今回の4次隊でも同じようなフィールドワークをもっと広範囲で行い、目で見て、肌で感じた日生の魅力を発信していくアイディアを地元の方々と一緒に考えていく活動をします。



―楽しそうですね!「まほろば」の整備というのは具体的にどんなことをしていますか?

鹿久居島には最近まで本州と繋がる橋が無くて、車が通る道の整備がどうしても遅れています。「まほろば」へ向かう道もボコボコで草木が生い茂っていたので、IVUSAの学生で1次隊から4次隊まで継続的に整備しています。今ではその道は問題なく車が通れる道になりました!だけど「まほろば」の中はまだ整備するべきところが沢山あるから、これからも活動は続けていく予定です。



―完全に整備するまでにはまだ時間がかかりそうですね。

そうだね。そもそも日生諸島での活動は2~3年で終わる活動ではなく、10年後20年後の日生諸島が活性化している姿を思い描いて行動している活動です。今自分たちが思い描いているのは日生諸島を「里海(さとうみ)」を使ったテーマパークにすることです。



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―「里海」とはなんですか?

人と自然が共生している場所の事です。かつて日生の海にはアマモという海藻が沢山生えていて、それが地元の漁師さんの漁の邪魔になっていました。そこで漁師さんたちは1度アマモを除去したんだ。すると、最初の方は漁がしやすい環境でしたが、時間を追うごとに海が汚くなってしまって。理由はアマモに水をきれいにする能力や、小魚の住処になっているといった海の環境を保つには欠かせない役割があったからでした。その反省から、今では漁師さんたちが定期的にアマモを撒いて海の環境や生態系を守っているんだ。

こんな風に日生には、人の手を加えることで自然が復活して、そこから共生してきた「里海」のモデルがあります。『里海資本論』(井上恭介著、NHK「里海」取材班 2015 角川新書)という本には世界にいろいろある里海モデルの頂点は日生で、世界一の海と紹介されているんです。日生諸島活性化活動をやっていく上で、日生諸島を知らない人達に発信していく時に、この場所のアピールには「里海」ということを広めていくことがいいと思いました。                                                                                                                                            


―素敵なところですね。テーマパークにするとは?

この里海という環境を使って、日生諸島の環境や観光資源・名産品、すべてをひとつのテーマパークのようにコーディネートしていく事です。さきほどの「まほろば」はその中のアトラクションのひとつになるイメージ!今回の4次隊では、この里海テーマパークのアトラクションになり得るものをさらに探していこうと考えています。


― これからがとても楽しみな活動ですね!吉田君はなぜこのプロジェクトのマネージャーになろうと思ったんですか?

日生という土地が大好きだからです。元々自然とか田舎が大好きで、食べ物が美味しい場所だし、日生にいる人たちも面白い人たちなんです。「まほろば」の職員の人たちや日生のおばちゃんたちも優しいんだよね。今おばちゃんって言ったけど、日生特有のルールで日生の年上の女性はみんなお姉さんって呼ばないと怒られちゃうんだけどね(笑)。こういう気持ちと、この夏ひとつ大きな挑戦をしようという単純な気持ちが相まって、この活動でマネージャーをやろうと決めました。




― やっぱり日生への思い入れが強いからなんですね。ありがとうございます。次に所属している大阪吹田クラブについて訊いていきます。クラブでは役職についていますか?

 クラブでは役員をやっています。俺ら吹田クラブの特色のひとつとして、「和束町茶原郷祭り」へ毎年ボランティアとして参加させてもらっています。全国の関西の茶農家の人たちが和束町に集まって食べ物を提供したりとか、お茶をいれたりとかするんですよ。京宇治茶の8割は和束町でとれるから、屋台とか全部お茶に関するものなんです。お茶クッキーとか。抹茶ケーキとか茶団子とか。唐揚げとかもお茶使われていて「ちゃらあげ」っていう名前で売られています(笑)。



― クラブでの地域事業として行っているんですか?

 そう。和束町は毎年100人ぐらいずつ人口が減っているんです。若者が少なくなっていて祭りを運営する人たちがいないから、毎年大阪吹田クラブから100人くらい出しています。100人レベルで1泊2日っていうのは他クラブの地域事業には無いのかなって思うよ。


写真:大阪吹田クラブのみなさん。



—日生諸島の活動でもクラブでも忙しいみたいですね。吉田君はそもそもなぜIVUSAに入ろうと思ったんですか?

それはたまたまですね。1年生の新歓の時に適当に入ったんです。でも、入ってみたら結構面白そうで。大学4年間で何か1つ4年間続けてやれることが欲しいと思っていたから、それをIVUSAにかけてみました。



―これまでIVUSAで活動してきて様々なことを経験してきたと思います。その中で1番の思い出は何ですか?

今こんなにプロジェクトマネージャーとかやるように、IVUSAに対して力を注げているのは、去年の役員選挙で大阪吹田クラブのクラブマネージャーに立候補して、落選したことが理由だと思います。落選が分かったときは本当に情けなかったし、今後どうしていけばいいかわからなくなってしまっていました。

でもその選挙の日の夜に、OBの先輩から「負けた後どんだけ頑張るかやぞ。しんどいやと頑張れんかったやつはホンマに負け犬になるし、こっから何回でも挽回するチャンスあるぞ」っていうことを言われて、自分自身負け犬は嫌だと思ったんですよね。だから自分はあの時の負けから挽回していけるように頑張っていこうと思えるようになって。それが今のIVUSAに対する原動力になっているかなと思っています。これが自分がIVUSAやっていて今のところ1番印象に残っている出来事ですね。



—すごくカッコイイですね。ではここからはプライベートに迫ります。今こそIVUSAに力を入れていると思いますが、入学以前はどんなことをしていましたか?

中学と高校の時は野球部に入っていました。



—甲子園を目指していたんですね!

いや、母校が今年兵庫県代表で甲子園出たぐらい強い硬式野球部だったんだけど、俺は弱い軟式野球部にいたんです。身の丈に合ったのを選ぶタイプなので(笑)。練習がそこまで厳しくなかったので、その分アホなことして遊んでいました。例えば高校生の時500円しか持ってないのに、チャリで兵庫から京都まで日帰りで行って帰ってきたり。今でもキックボードで梅田から琵琶湖まで13時間かけて行ったり。突発的にアホなことをするのが好きです(笑)。



写真:野球部時代の吉田君


—楽しそう(笑)。そんなにアホそうな人に見えないので意外です(笑)。大学ではどんなことを勉強していますか?

学部は社会学部に入っています。ゼミでは地域おこしに関することやっています。今自分が取り組んでいる地域活性化にとても関係があって、すごく考えて学部とゼミを選んだようにみえるけど、実はそのゼミ第二希望だったんですよね(笑)。第一希望で出したゼミが落ちて自暴自棄になって出したゼミが奇跡的に自分の興味にマッチしていたので、奇跡だと思ったよ。



―地域活性化について考える事は運命だったのかもしれませんね(笑)。では最後の質問になります。あなたにとってIVUSAとはなんですか?

さっきも言った通り、自分はアホなことというか面白いことが好きな人間です。キックボードの話とかもそうだし、地域活性化もすごく面白いなって思っている。IVUSAはそんなおもろいことをくそ真面目に取り組める場所かなって思います。規模感関係なく、学祭だとかプロジェクトの中で面白い事、アホな事を真面目に考えたりする。仮装して人をどう呼べるかみたいなことを1時間かけて会議したりする、そういうことが俺は好き。

今回の日生諸島の活動でも面白いこと、面白いアイディア、日生にどうお客さんを呼ぶかっていう、日生にある資源を使ってどうやって人を呼ぶかっていうのを考えるのが面白いし、隊員にもその面白味を感じて欲しいなって思います。100人の隊員全員が、楽しみながらも熱心に取り組んでいけるようなプロジェクトにしたいですね。それができるのはマネージャーの自分だけかなと思っています。


―日生諸島での活動も面白くなることを期待しています!ありがとうございました。



インタビュー・編集:清野姫史(神奈川大学2年)
写真:IVUSATIMES




〜編集後記〜
毎年恒例になった(?)編集部の関西遠征も無事に終わり、人数は少ないものの関西にて取材させて頂きました。関わってくださったみなさん、ありがとうございました!



写真:吉田君を囲んでの一枚。



さらに吉田君の取材中には、大阪吹田クラブの昨年のクラブ長である坂東さんも応援に駆けつけてくれました!(笑)



写真:坂東さんと吉田君


こんな風に色んな人に応援されるIVUSA TIMESですが、2016年後期もますますパワーアップしていきますので、引き続きご愛読くださいね!

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