IVUSA TIMES

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第72回 「変化の場」 鈴木祐介さん

第72回目のIVUSATIMESは、東京日野クラブ中央大学3年の鈴木祐介さんです。今期の東京日野クラブのクラブマネージャーを務めている鈴木くん。どのようなきっかけでクラブマネージャーになることにしたのでしょうか。他にも東日本活動報告会でのエピソードや26期のことなど盛りだくさんの内容です!


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―はじめに自己紹介からお願いします。

 東京日野クラブのクラブマネージャーの鈴木祐介です。よろしくお願いします。


―よろしくお願いします。最初に、IVUSAに入ったきっかけを教えてください。

 ありきたりな理由なんだけど。小学校から高校まで野球やっていて、1つのことしかやってこなかったから大学で何か違うことやりたいなって思ってた時に、IVUSAのビラもらったんだよね。
 そこの説明会にいた八王子のクラブの四年生の先輩がすごいかっこよくて。面白そうだな~と思って入りました。平凡な理由です(笑)。


―いや全然!そういう人もいっぱいいますよね。

 うんうん。ほんと何となく入ったって感じかな。


―では、本題に入らせていただきます。クラブマネージャーになろうと思ったきっかけはなんですか?

日野は今年クラブ化したクラブで。自分が入った時はまだ中央大学にIVUSAのクラブがなくて、先輩も一人しかいない、大学に別にサークルとして機能してない団体だったんだよ。自分たちの学年がそのとき4人ぐらい入ったんだけど結局みんな辞めちゃって、俺が一年生の後期にはもう二人しかいなかった。


―そうなんですね。

 そうそう。そのときは多摩クラブに所属していて、そこのいちょう祭りっていう学祭みたいなお祭りに参加したんだけど、多摩クラブの人がみんな優しくて。この空気を自分の大学にも持ち帰りたいなって純粋に思った事がきっかけかな。
 もう一つは、唯一いた同期が「何で中大入ったんだろう、法政入って、普通に法政でIVUSA入りたかったな」みたいなことをすごく言っていたんだよ。だから後輩には、中大でよかった、中大でIVUSA入ってよかったって思ってほしくて。
 いちょう祭りの打ち上げで、本当に言うつもりはなかったんだけど、完全に勢いで「来年クラブ化します」って言っちゃって。まあ言ったからには形にしようって言って一年間動いてきて、日野クラブとしてクラブ化して、そのままクラブマネージャーになりました。


―有言実行したんですね。

 そうだね。少数大学ってすごい肩身狭い思いをしていて、それが原因で辞めちゃう子も多かったから、そんな思いを後輩たちにさせたくなくて。何を頑張ったっていうよりは、絶対クラブ化したいって一心だった。


―日野クラブになるまでにどういう風に活動してきたか教えていただきたいです。

 何したんだろう…。クラブ化するまでの一年間、新歓でいくら人を入れても、夏プロとかまでの間に繋がる間に何かがやっぱり必要だから、クラブ化する前に中大としてのクラブ事業を一個作った。里山保全活動っていう地域の…里山ってわかる?


―なんとなく…。

 まあ山だよ(笑)。山の保全活動。人手が足りない山の整備のお手伝いとかをクラブ化する前にクラブ事業としてやって、そこに新入生連れて行ったり、とにかく新入生と話したりするようにして、夏プロとか報告会とか、いろんな場所に連れて行った。
 俺らも4人しかいなくて、みんな2年生だからそんなにIVUSAの経験があるわけでもなくて。そんな自分たちにできることって、IVUSAの色々頑張っている人たちと、その自分たちの後輩を繋げてあげることだよねって言って、外の世界になるべく連れていくように努力しました。


―すごいですね…じゃあ、今はクラブに何人いるんですか?

 新入生も合わせると140人かな。


―多いですね!

 3年は5人、既存2年30人、新規生が110人って感じで何とか運営してます。


―1年生は100人も入ったんですか?

 入った。ちなみに新歓は関東ダントツでうちが成功納めているからちょっと、書いておいて(笑)。


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―分かりました(笑)。大人数の日野クラブですが、どんな雰囲気のクラブですか?

 クラブはほんとに温かいです。人がよくて温かいなっていうのを一番に感じています。
みんな真面目で、雰囲気も優しいし、仲いいし、っていうのが一番かな。
 だからこそ、今は温かいだけだから、お互いが高めあえる、いい意味で競い合える環境がこれから作れていけたら、もっといいクラブになっていくのかなっていうのはすごい思う。


―なるほど。これから具体的にどんなことしていきたいか考えていますか?

 130人クラブにはなったけど、まだ1年目でそこまで人数が多くないから、一人一人がお互いを知れる環境を作りたいなって考えています。
 例えばクラブ会にあんまり来れない人とかがいるとして、その人の中身を知らなかったら、ただ「あの子あんまクラブ会来ないよね」で終わっちゃうじゃん。でも、もしかしたらその子って、公務員を目指していて勉強頑張っているかもしれない。そしたら別にクラブ会来なくてもいいし、頑張ってねっていう気持ちにもなれるじゃん。そうやって全員が「何を頑張っていた」とか「どういう背景でIVUSA入った」とかっていうのをお互いがお互いをもっと知れたら、純粋に楽しいかなって思う。だからそういう環境を作っていきたいです。


ーそしたらもっと仲良くなれるというか、1つになれそうな感じありますよね。素朴な質問なんですけど、クラブの人の名前って覚えられますか?

 覚えられる。最初50人入れた時も、全員自分たちが直接話して、入ってくれた子達だったから、一人一人の事を覚えていた。名前だけじゃなくて、「将来こういう風になりたいんだな」ってことをなんとなく新歓の段階で俺らが理解していたから、その子達に合った活動を紹介できたよ。だから継続にもすごい繋がったのかな。新入生のことを理解して、距離を縮めるっていうのが1番大事なのかな。相手を知らないのに続けさせるなんて無理だから、その子たちと話をすることが一番大事だと思う。


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ー確かに…。参考になります。これからどんなクラブを作っていきたいですか?

 さっきも言ったように、お互いがお互いを知るってことにも繋がってくるんだけど、「あいつはこんなことやりたいんだな」っていうのをみんなが理解して、お互いに背中を押しあえるクラブにしたいなと思って。「何になりたい」とか、「あいつはこういう活動を頑張りたい」とかみんなが知って背中を押しあえば、あいつが頑張っているなら私もやってみようかなってなると思うし、そうやって背中を押し合って相乗効果でどんどんみんなが高め合えるクラブにしたいです。


ーちなみに、クラブを設立するに向けて一番大変だったり苦労したりしたことってなんですか?

 時期的な問題で言うと、すごい苦労したのが5月かな。4人で新歓やっていた内の2人が報告会の報告者だったの。


ー半分も報告者だったんですね!

 そう、俺ともう1人のやつがやっていた。報告会の練習をして、新歓もやんなきゃでいっぱいいっぱいだったんだ。
 でも、なんとか踏ん張れたのは、新入生が「報告会すごい楽しみです」って言ってくれたおかげだった。本番の後にも「かっこよかったです」とか、「自分も来年あの舞台に立ってみたいです」とか言ってくれる新入生がいっぱいいて、それでもう全部が救われたって感じかな。去年のクラブ化するまでの一年間は、後輩の「やってよかった」とか「夏プロ行ってよかった」とか「頑張りたい」とか、それだけがモチベーションだったかな。言いたくないけどね、あいつらにそんなこと。


ー(笑)。使っちゃって大丈夫ですかここ?

 いいよいいよ。

ーすごい優しい人柄がクラブに出ている感じがありますね。

 いやいやいや。

―こんな感じでIVUSAの話はいいですかね。じゃあ私生活の方を(笑)。

 私生活、IVUSATIMES史上最強につまらないと思う(笑)。

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―いや、聞きたいです!IVUSAすごく頑張ってらっしゃるなっていう印象だったんですけど、それ以外で頑張っていることとか趣味ってありますか?

趣味が本当にないんだよ。


―そうなんですか?

 本当に趣味がなくて、家で寝てるか友達と飲み行くかなんだよね。あとIVUSAの活動があったら行くぐらいかな。よくさ、「IVUSA頑張っている」とか「あいつIVUSAしてるなー」とかさIVUSAって1個の枠で考えるじゃん。あまりそういう風に思ってなくて、日常の中での1つにIVUSAがあるんだろうね。


―IVUSAがもう日常生活の一部になっているって感じですか?

 それは語弊が生まれる!それは嫌だ(笑)。大学も、伊勢も言っていたと思うんだけど、あいつと似ているところが本当につまらない人間で、大学もそこそこに、単位もそこそこに取って、普通の生活して、バイトして。
 本当に超普通の日常、堕落な生活を送っているだけだから(笑)。「趣味は何ですか」って質問が一番嫌なんだよね。


―すみません、聞かないようにします(笑)。バイトは何をしているんですか?

 見方によってはすごいしょうもないっていつも言われるんだけど。その時の生活にあったバイトがしたくて、ころころ変えている。報告会の時期とかは...。
 あ、報告会の話したいわ!いい?


―はい、ぜひ!

 これから何となく分かっていくと思うんだけど、俺ら26期関東メンバーって特別目立った人がいないの。何かに特化している訳でもなくて、普通のやつがいっぱいいる感じで。
 だけど、個だと弱いけどそんな奴ら同士でもチームもやって本当一丸となって協力し合えばすごいものができるんだなってのを感じた。報告会を作っているメンバーとしては、去年の25期の先輩達に比べたら俺らなんて本当に力がない。
 でも、絶対去年より良いもの作れたなって思ってる。それは伊勢(今年の東日本報告会マネージャです。詳しくはこちらの記事をチェック! http://ivusatimes.hymmc.xyz/entry/2017/05/10/140000)を筆頭として、そのチームとして動けたからなのかなって思ったから、26期は個がない分チームなんだなっていうのを報告会で感じたかな。それが大事なんだなって思った。報告会行った?


―行きました!

 報告者たちもみんなすごく頑張っていた。去年は報告者同士が当日初めましてとか普通にあったの。報告者チームとしてやっているって感覚が全くなくて。
 だから、来年は、チームとして報告者で戦いたいよねって話をずっとしてて。報告者をチームにしたくて、今年クラマネだけど報告者統括っていう立場を伊勢にお願いしてやらせてもらった。
 去年は全部ホールの練習以外は個人練習だったんだけど、今年は3週間前から毎日教室取って、来れるやつ集めて、お互い見て、意見言い合ったんだ。本当に同じ一緒にいる空間をめっちゃ作った。
 当日、一番俺が感動したのが、最初の2番目ぐらいに西伊豆の報告があって、その報告を見て、「今まで頑張ってきたのを見てきたから自分の報告終わってもないのに泣いちゃったよ」っていう話をしている報告者がいて。そういうのを聞いてチーム報告者をつくれたんだなっていうのが一番嬉しかったです。
 報告者もチームとして戦えたからあれだけ良い報告になったと思うし、だから今年の報告はすごくレベルの高いものになったなっていうのは自分でも自信もって言える。

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写真:報告者での集合写真(紙を持っているのが鈴木くん)

―そうなんですね。まとまりがあって、アットホームな感じの報告会だったなって思って。感動しました。

 それ、伊勢様様ですわ。本当に。


―クラブのみんなに言いたいことはありますか?

 それ大事だね。これからの日野クラブどうしていきたいかって部分で、もちろんさっき言ったようなお互いがお互いの背中を押し合っていくのもそうなんだけど、俺らの代でクラブ化して、クラブ化ってすごくでかいことだから、まだまだ「自分たちで」というよりも「俺ら3年がいて」って空気感がまだあるから、もう違うぞと。
 「もうお前ら自分たちでクラブ作っていけよ」っていうところかな。新歓も自分たちで頑張ってくれて上手くいったから、このままもう「俺らなんてもう用なし」と思えるクラブになってくれたらなと思う。そうすれば楽だしね、俺らも。


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写真:日野クラブのみなさん

―就活とか始まりますもんね。

 そうそうそう。だから1年後が楽しみ、どうなっているか。誰がどうなっているか分かんないけど。


―いいクラブになりそうです。

 ね、なってほしいわ。


―じゃあ最後の質問…。

 もう、やだこれ。どうしよう。


―あなたにとってIVUSAとは何ですか?

 「変化の場」かなと思っています。明確に将来どうなりたいって言える人は自分の目標があって、それに向かって突っ走るだけじゃん。
 でも、ほとんどの大学生ってそれがないと思うんだよ。それは仕方ないし、でも自分がどうなりたいかを焦って作るのも違う気がしていて。
 今の自分のまま大人になっていくのって多分違うじゃん。今の自分で歳だけとって社会に出るのはダメだなって、変わらなきゃいけないなって。
 でも、どう変わっていけばいいかって分からないじゃん?その変わっていける場が、IVUSAにあると思っていて。
 例えば、夏休みに友達とバーベキューに行こうと、夏プロに行こうって選択肢が二択あって、どっちも、「夏プロ面白そうだな、バーベキュー面白そうだな」って同じ面白いって切り口じゃん。でも、行った後の自分と行く前の自分、バーベキューと夏プロどっちが変化があるっていったら、絶対夏プロの方があるじゃん。
 そうやってIVUSAって切り口は他の物と変わらない、「面白い」とか「ボランティアしてみたいな」とか「友達がいる」とかなんでもいいんだけど、何でもちょっとかじれば何が自分に変化が起きて、その変化を自分で感じて、あっ自分変わったなって思えるのが成長だと思うの。


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―なるほど。

 大学生活をただ単に4年間送るよりも、IVUSAで新歓を頑張るでも、夏プロ行くでも、何か役職やるでも、やった方が絶対自分が変化すると思うんだよ。
 自分を変えたいと思ってIVUSAに入って来る人もいるけど、そんなのわずかの超意識高いやつじゃん。それが全てじゃないと思っていて。
 「面白そうだな」で行って、行ったら自然と自分が変わっていた、それでいいと思うの。そうやって自然と自分を変えられるっていうのがIVUSAの良い所なのかなって。
 そこにもっとみんなが気付いて「自分を変えていく場」として使っていけたら、本当に成長が分かるのかなって。たぶん今のまま「挑戦しろ」、「成長」って言っても、「挑戦って何?成長って何?」って絶対疑問に思う気がするんだよ。俺はずっと疑問があって。IVUSAは「自分の成長のために」ってめっちゃ言うじゃん。


―はい(笑)。

 でも、分からなくて。やっと最近そのことに気付いたの。「成長」っていうのは、そうやって自分を変化させていくことだし、「挑戦」っていうのは自分を成長させるために、面倒くさいことでも何でもいいから今までやってこなかったことをやってみようかなって挑むことだと思う。
 なんとなく入った中でも自然と自分を変化させられる、多少受け身でいても「ちょっとなんかやってみようかな」「先輩に誘われて行ってみようかな」って価値観の変化や自分の中での変化が絶対に生まれると思うんだよね。自分の変化にどれだけ気付けるかが大事なのかなって。そうやって徐々に変化させられる場がIVUSAなのかなと思います。


―分かりました!すごく楽しかったです。ありがとうございました!


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インタビュー・編集:馬場日和(跡見学園女子大学2年)
カメラ:吉田静夏(跡見学園女子大学2年)