IVUSA TIMES

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第74回 「経験の畑」 田川雄士さん

第74回目のIVUSATIMESは、今期の東日本運営本部副本部長を務めている、東京砧クラブ日本大学4年の田川雄士さんです。田川さんの秘めたる熱い思いが垣間見えるインタビューとなっております!ぜひ最後までご覧ください。

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ー自己紹介をお願いします。
 
 東京砧クラブ日本大学4年の田川雄士です。

ー宜しくお願いします。まず、IVUSAに入ったきっかけを教えてください。

 1つは、大学に入って一番に声をかけられたのがIVUSAだったからかな。もう1つは、23期の学生代表の人が当時クラブマネージャーをやっていて、その人が前で喋っているのが「かっこいいな、こうなりたいな」って思って入ったのが大きいかな。

ー憧れの人がいたんですね。その後、その方と交流はありましたか?

 直接的にはなかったけど、先輩としては教えてもらったり研修受けたりはしたね。その人インストラクター持っていたからね。


ー触りはこのくらいで、本題に入っていきたいと思います。選挙で東日本本部副本部長に立候補したきっかけは何ですか?

 そうだなあ。俺の考えとしては、挑戦できる場所があれば、とりあえず挑戦してみないともったいないと思っているのね。だからそういう場所もあって道はあったから、そこに飛び込みたいなっていう思いはあったよね。
 あとは、元々はクラマネになりたかったから選挙に出たんだけど、負けちゃって。でも、その時にクラマネになった金原君に、今回は負けたけど次の勝負では勝ちたいなっていうのはあったから出たのもあったかな。


ーそうなんですね。負けたくないという精神で選挙に出たんですね。

 そうだね。意外と負けず嫌いだから。


ーそうなんですね!それじゃあ、無念を晴らせたと言うか…。

 そうだね今の所(笑)。


ー選挙に立候補してから当選までは、どのように過ごしてきましたか?

 始めに考えたのは、幹部になるにあたって、自分より経験とか知識のある人に話を聞いたほうがいいなって思って、4年生の先輩じゃなくて事務局(IVUSAの運営の補助をしている方々)の努さんに相談しに行った。


ー事務局ですか。

 そうそうそう。事務局って色んな代を見てきた人だから、「今までの先輩方ってどんなこと言ってきていますか」とか聞いたり相談したりして。結果的には、熱い人間よりは論理的に話した方がいいんじゃないかってことをアドバイスで受けて。昔からパソコンが得意だったのよ。だからパワーポイントを使ってこういうことやりますって言ったり、あとは、1枚にまとめた企画書をA4両面に印刷して当日みんなに配ったり。

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ーすごい…。

 そう。事前にどれだけ詰められるか、事前にどれだけ資料を用意したりできるかって考えたりしたね。


ーそうなんですね。4年生に相談するのかと思ったら、事務局の方に相談するって新しいなと思いました。

 あんまりない発想かもね。でも、普通に考えたらそっちの方が勝てそうだよね。


ー確かに…。情報量がすごいですもんね。広報部の充さん(IVUSATIMESの前編集長)が、「田川さんはエクセルがすごい」と言っていましたよ。

 そうだね(笑)。いろんなもの作るのは結構好きだし。


ー何を作るんですか?

 えっとね、なんだろう。普通に見せた方が早いと思うんだけど。


—いいですよ!

 なんだろうね。役員の頃にやっていたのは、IVUSA会員の情報をまとめてパーセンテージ出したりしているんだけど。(田川さんがパソコンでいろいろ見せてくれました。)


ーえぇすごい。

 あとは何だろうな。あっ、会員数更新を毎日やっていて、こんな感じ。

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—すごい…!

 これは東日本の全部のクラブで、今日までの入った人たちは2419人いて、昨日と比べて何人増えたかも出るようにしているよ。


ーすごいです。これは作られたんですか…?

 うん。作った。


ーえええ、すごいですね。分かりやすくて、見やすくて。

 そうだね。みんなが見たら、テンションあがるやつの方がいいかなって思って。


ーめっちゃテンション上がりました。すごい…。面白いです!

 面白いでしょ(笑)。俺もこういうのが好きで色々やっているって感じ。


ー私パソコン苦手なんですけど、こういうのを作れる人はすごいなぁって思います。

 慣れだよね。慣れと知識、想像力かな。「こうやったら面白いかなとか、こことここでこうなるな」ってのが経験として分かってくるとできるよ。そんなに苦手意識を持たなくてもいいと思うな。慣れだから。


ー本当ですか。こういう技術は独学ですか?


 うん。独学だね。大学2年生の時かな。一番得意なのはエクセルで、パワポもやるし、ムービーもよく作るし、あとウェブサイトも作ったことある。


ーパソコンが好きなんですね。

 パソコン好きだね(笑)。ふふ。
 人ももちろん好きなんだけど、人って反応がいまいち分からないじゃん。
 パソコンは「あ」って打ち込んだら「あ」って返ってくるから。素直じゃん(笑)。だから好きなんだよね。自分の思い通りに動いてくれるのが良い。人とパソコン動かす方だったら、パソコン動かす方が簡単だよ(笑)。

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ーなるほど、面白い考え方ですね。ちょっと話を戻します。ごめんなさい楽しくって(笑)。次は、東日本副本部長として頑張りたいことや目標を教えてください。

 枠組みとしては、内山(もう一人の東日本運営本部副本部長)が人の気持ちを管理する分野で、俺は情報を管理する分野を担当しているのね。その中で、俺は何ができるんだろうなって考えた時に、データを見せてみんなのテンションを上げさせることとか、一番は問題の把握や発見かな。データから見える根拠のあることをいち早く気づいて対処したり。 パソコン使って色々やりたいなって思うよね。


ー特技を使って。

 そうそうそう。あんまり他の人にはできないかなって思っているから。できる人もいると思うけど、その中でも負けないかなって思っているよ。


ーいや、負けないと思います。

 だから、自分が負けないと思っているこの分野で、どれだけ東日本全体に俺の影響力を与えられるかと考えている。俺だけで止まるのはもったいないから後輩に受け継いでいって欲しいし、後輩の育成にも力を入れていきたいな。


ー同じくらいの技量の人がもっと増えたらすごくいいですよね。

 各クラブに一人くらいいたら絶対強いと思うんだよね。そういうことはやってみたいと思うけどね。


ーうんうん、いいと思います。エクセル講座とか…。

 一回開いたことあるんだよね(笑)。ただクラブの一部を対象としてやったから、そこも全員に向けて開いていきたいよね。


ーはい。開いてくださったら受けに行きたいです。

 あ、本当?ぜひぜひ来てください(笑)。


ー行きます!では次に、学生幹部として目標や頑張りたいことをお聞きしたいです。

 うん。挑戦しつづける人でありたいなと思っている。
 学生代表の水口くんも言っていると思うんだけど、IVUSAが「自分への挑戦、社会への挑戦」というスローガンを掲げている訳だから、その意思をしっかり軸として持っている人間が幹部なのかなと思う。だから、そこは頑張っていきたいし、学生の中で役職が上の人間であってもそれで満足はしたくないな。
 幹部という役職は学生の中では上かもしれないけど、社会から見たら学生は底辺な訳でしょ。だからもっと自分への挑戦とかまだいけるだろってところはしっかり持って一年間突っ走っていきたいなと思うけどね。それで、それを見た後輩から「なんかかっこいいな。あの先輩」って思われるような存在になれたらいいかなと思う。


ー憧れで入ったから、自分も憧れになる。思いが受け継がれていますね。

 そうそう。受け継いでいってもらえたら嬉しいけどね〜。それは後輩次第だからなんとも言えないけど(笑)。でもそういう存在にはなりたいよね。


ーすごいです…。なれると思います。

 ありがとうございます!(笑)。


ー後輩に対して伝えたいことはありますか?

 あ〜そうだなあ、後輩に対してもやっぱり挑戦を忘れないでほしいなと思うけどね。俺もずっと挑戦はし続けていたし、1年生の頃、陰キャラだったんだよ。全然取り柄もなかったし、昔はいじめられてたし、こんなキャラじゃなかったよ。
 だけど、大学の2年生の新歓で会員管理をやろうって思って、その時から周りの反応が変わってきたし、そこでパソコンが使えるんだって自分の中でもわかった。
 ちょっとでも踏み出す勇気とか挑戦ってのはやることは大切なのかなと思う。それが経験になるし、力になるし。もしかしたら変わらないかもしれないけど、それは1つの経験になると思う。後輩にはみんな挑戦する人間であってほしいってことが言いたいかなぁ。

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写真:砧クラブのみんなと(下の段、真ん中が田川さん)

ー田川さんがガラッと変わったのは2年生の最初の頃からだったんですね。

 うん。一年生の時は全然。プロジェクトには1個行ってたかなくらいで、クラブに顔も出さないし、クラブ会も行かなかったし。もう1個サークル入ってそっちのが楽しかったし。


ー1年生の頃から活躍しているのかと思っていたので意外でした…。
ここからはブレイクタイムって感じで、IVUSA以外で頑張っていることについてお聞きしたいと思います。大学ではどういう感じのキャラだと自分では感じていますか?

 キャラかあ。基本的にIVUSAの中で収まっちゃてるんじゃないかなと思うんだよね。大学=IVUSAというか。純粋にIVUSAを楽しんでるからそれでいいかなと思っちゃうんだよね〜。
 IVUSA以外に楽しいことを見つけて、IVUSAは経験として頑張るって人もいると思うんだけど、俺はそういう感じではなくて、楽しみながら経験もできたらいいなって思っている部分はある。
 IVUSAに全力投球をしてるんじゃないかなあ。他で頑張ってることはあんまりないかな。資格を取ったりはしているけど。


ーどんな資格を持っているんですか?

 商学部だから簿記の検定二級までは取った。お金かけるの勿体無いから独学で。


ー何でも独学でやるんですね。

 うん。あんまり人に教わるの得意じゃないんだよね。教わらなくても自分の中で完結できるから。参考書とかに聞かなくても、裏に答えとか解き方が載ってるじゃんって思うんだよね。


ーすごいです。優秀…。頭が良さそうです…。バイトは何をしていますか?

 あ、某ファーストフードで働かせてもらっていますね。マクドナルドです(笑)。マックでバイトを2年近くなるのかな。やっております。


ー結構長いんですね。

 全然入ってないから、まだ初心者みたいなところもあるけどね。週に1回入ってるかくらいかな。今は就活もあってなかなか行けないね。前までは週に2回くらいかな。


ー最低限って感じですね。

 うん。だから飲み会があったら赤字だよね(笑)。


ーなかなか厳しいですね…。今、就活って言葉が出たのですが、将来の夢はありますか?

 なりたいのは、システムエンジニアかなあ。単純にパソコンに関係することをやりたいなって思ってる。
 将来の夢か…。それだけにこだわらずにでっかいことをやりたいなとは思ってて、生きているうちに傷跡残せたら面白いなって思ってる。世界まで行かなくても日本中にその分野に名前の知られている存在にはなりたいかな。田川って聞いた瞬間に、「あの田川さん」って言ってもらえるような存在にはなりたいかなあっていう野望はあるよね。


ービックになりたいということですね。

 お金持ちになりたいというよりも、どこかに名前を残したいなって思って。その手段として今の所当てはまるのがシステムエンジニアなのかなと思ってる。もしかしたら変わるかもしれないけど。


ーこの目標に向けて進んで行くって感じですかね。

 そうそう。目標は1つさえ持っていれば、手段はなんでもいいと思っているから。この考え方、IVUSAと似てるなあと思っていて。


ー確かに…。

 「共に生きる社会を目指します。」と言っていて、その手段として俺らはボランティアをしてるでしょ。目標を達成するためなら、多くの手段があっていいんじゃないって思うんだ。

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写真:プロジェクト時の田川さん

ー理論的な考え方ですね。田川さんは東日本運営本部の運営本部長の他にインストラクター(研修を指導する人)の資格もお持ちなんですよね。

 そうだね。今年だとマネジメント研修を持っていて、去年からHRT(Human Relations Training 自己理解・他者理解を深める研修のこと)も。
 後輩育成が好きなんだよね。俺が二年生の時の春合宿で、俺の班員だった子が今のクラブ・マネージャーと学生役員なんだよね。その子達が「選挙出ます」って聞いた瞬間に、あ〜やっててよかったなて思うんだよね。インストラクター面白いですよ。すごい布教活動みたいになっちゃったけど。


ーどういうことを教えるんですか?

 うーん、そうだなあ。もちろん研修のインストラクターだから研修の内容を教えることはそうだし、マネジメント研修だったら、目標に対して現実と理想の間には何があるのかっていうこと。
 例えば、今の自分と理想的な自分は何が違うのかとか。そしたらファッションがもっとかっこいいのかもしれないし、資格を持った頭のいい自分かもしれないし、理想と現実とで違いがある訳じゃん。その理想と現実をどう埋めていくかってことを“リスクマネジメント”って言うの。
 プロジェクトでも一緒で、環境保護だったら水草を全部撤去しますっていう理想と、水草で溢れていますっていう現実があったらじゃあ水草を撤去するには何をしたらいいのか、向こうの団体に協力してもらわなくちゃいけない、実際に行って打ち合わせをしなくちゃいけないもそうだし、道具を揃えなくてはいけないもそうだし、ていうこととか。 それをどうやっていくか。そういうどこでそういう判断をするか〜っていうのを考える研修なんだ。
 教えるのはもちろんなんだけど、俺が思ってるのはただ教えるだけじゃつまらないなあって思っていて。人と話した時に相手にとって、相手の人生にとって役に立つことを教えたいって思っているのよ。知らなくちゃいけないこと、やらなくちゃいけないことに+αして「あの先輩こんなこと言ってたよな」っていう知識を教えることができたらそれはいいんじゃないかなって思って教えている。難しい話だね(笑)。


ー後輩、それで育っていって…。やりがいがありますよね。
 
 あるね。やっぱり「あの時の言葉が良かったです」って言われると、もう最高だよね。中々言われないけどね(笑)。


ーいや…。言われないですか?

 言われないと思うよ。だって恥ずかしいじゃん。俺も言わないよ。俺も池田さんに向かって「憧れでした」って言えない。恥ずかしいもん(笑)。


−田川さん…かっこいいです。最後の質問に行きたいと思います。あなたにとってIVUSAとは何ですか?

 出た!なんだろうね。すごい考えたけど、IVUSAね。「経験の畑」かなって感じはするかな。
 人生全部そうなんだけれども、畑なのかなって思っていて。IVUSAもそうなんだけど、挑戦して色々やっていって最終的には自分の経験になっていくということで、畑もそうだと思っていて。
 自分が挑戦して、種を蒔かないとそもそも食べ物育たないじゃん。自分でちゃんと水をやって肥料をやったりして大きく育って、最終的には花になって。でもそこでも諦めずに続けていくことでちゃんとした実になって作物ができて、それが回収できるように、知識とか経験になる訳じゃん。
 で、そこからその種を使って次の畑でまた蒔くことができてっていうことなのかなって。それがIVUSAでもたくさんあると思っていて。
 種をまくっていう挑戦をすることがないとまず始まらないし、ずっと諦めないで続けないとちゃんと身になる経験にならないよね。加えて、IVUSAに合う・合わないのは人それぞれあると思うんだけど、何でかって言うと、畑作業も温室のビニールハウスとかで育てるきれいな育て方ももちろんあるじゃん。そういう経験もあると思うし、でもIVUSAってきれいなビニールハウスで優しく育てますっていうよりかは、炎天下の中泥まみれになりながら畑作業するって感じじゃん。それが合う・合わないってやっぱりあると思うのね。
 ただ俺は、もちろん温室みたいなところもいいし、もしかしたらビルの上の屋上のような畑もあるかもしれないし。そういう快適なのもいいかもしれないんだけれども、俺はそういうIVUSAっていう泥臭く畑作業としてじゃがいもをガンガン掘りまくるような、でもその分身になるものがIVUSAにはたくさんあるよって感じがするから、そういう「経験としての畑」っていう感じはするかな。


ーはぁ…。勉強になるお話が聞けて良かったです。ありがとうございました。

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インタビュー:馬場日和(跡見学園女子大学2年)
編集:長谷川千尋(日本大学3年)、清野姫史(神奈川大学3年)