IVUSA TIMES

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第79回 「バカ頂上決戦」井上華さん

第79回目のIVUSATIMESは、東京三崎町クラブのクラブ・マネージャーである日本大学3年の井上華さんです。井上さんの三崎町クラブに対する思いが熱〜く語られています!先日、選挙で新しいクラブ・マネージャーが選出されましたが、この機会に今期のクラブ・マネージャーが持つ思いに触れてみてください。


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―今日はよろしくお願いします。まず自己紹介をお願いします。

東京三崎町クラブ、日本大学3年井上華です。クラブマネージャーやってます!好きなものはチーズとお笑いとディズニーです!よろしくお願いします。


―三崎町クラブのクラブマネージャーってことだけど、クラブマネージャーになろうと思った理由から聞かせてください。

最初は全然考えてなかったかな。「もうそんな時期か、みんな頑張って〜。」みたいな感じで1ミリも出る気なかった。去年一年間はクラブ反抗期みたいな感じで。


―クラブ反抗期?

 もともとクラブのみんなが好きだったからこそ、2年生の頃は三崎町としてのつながりが薄くなった気がしてすごく寂しかったんだよね。それに、クラブに居場所がない気がして「私ができることないしなぁ。求められてもないしなぁ。」みたいにネガティブに考えてた。でも、いざ選挙が近づいて、誰が出るんだって同期と話をしていたら、三崎町は公務員を目指している人が多いから、「ダブルスクール始めるからクラブにほとんど顔出せない」って意見が多かったんだ。今まで一緒にやってきて信頼していた同期のほとんどが、来年は関われないってなって。みんな本当にすごい子ばかりで、一緒にやれるのが楽しみだったから、とてもショックだった。「みんなとなら絶対三崎町楽しくなるのに!」って思って。でも、そんな風に将来を真剣に考えた同期から、「本当は一緒にやりたかった」って声を聞いたとき、「反抗期だからできません。」なんて言って拗ねてた自分が小さく見えたんだよね。


―そうなんだ。

 うん。それに、私みたいにクラブに居場所がないって思っている子や、クラブ員とのつながりが薄くて寂しいと感じている後輩を減らしたいって思った。あとはダブルスクールの子みたいに何かに一生懸命に取り組んでいて、クラブにあんまり来られなくなっちゃう子たちにとっても、続けたいなって思えるクラブでいたくて。疲れた時に癒されるような居心地の良い場所って意味でもあるし、やりがいや成長のプラスにつながる場所でいたかった。それを作るなら、クラマネだなって思ったかな。


―自分がやるしかないなって思ったの?

 うーん、そうだなー。責任感とは少し違うんだけど、やりたいことを考えてみたらわくわくして、「意外と楽しいんじゃない?」って思った。立場だけ考えたらしんどそうっていうのはあったけど、みんなと一緒にやりたいとかみんなのために何かしたいっていう気持ちの方が強かったから、クラマネ出ようって思えたかな。


―なるほど。三崎町クラブってどんなクラブなの?

 ちょっと前までは「変人の巣窟」って言われていたけど、それはぶっとんだ先輩がたくさんいたからで。意外と今の色はそうでもないんだよね。もう、みんな可愛くてしょうがない。みんなそれぞれ良い所があって、私なんかより全然切れ者の子とか、喋るのうまい子とか、面白い考えの子とかいっぱいいるんだよね。でも、それをいまいちアピールできてない気がするし、その強みをIVUSAで活かしたいって子があんまりいないのね。それがもったいなくて。せっかくいい意見を持っていて、こんなに何でもできるステージもあるのに。だから、今の状態は、「もうちょい!あと一歩だよ!!」みたいな感じで、「殻を破る3秒前」って表現がしっくりきてる。きっと、あと少しの勇気とかタイミングとかきっかけとか、何かがあればものすごい化けると思う。秘めたる原石って感じ。まあ、前はアットホームなクラブって印象だったのに、急に90人超えてこじんまりって印象もなくなってきて(笑)。


―90人超えてるんだ!

そうなの。超えたの!あんなに小規模だったのに!みんなが新歓頑張ってくれたの。


―今後クラブをどうしていきたいとかクラブ員がどうなってほしいっていうイメージはある?

 2つの視点から言いたいんだけど、クラマネ目線で言うとしたら、IVUSAで色んな経験をしてほしいな。私の人としての最終目標は、人に語れる面白い人生を送ることなのね。だから、新しいこととか、わくわくする経験を積みたいなと思う。その点IVUSAってすごいなと思うのは、ただ学校やバイトに行く、いわゆる女子大生をしていたら出会えない色んなものに出会えること。私は1年生の時からクラブだけじゃなくてプロジェクトとかにも行く方ではあったから、色んな経験や出会いの場があったんだ。初めての作業、役職や立場、地域、人。すべてが新鮮で面白くて、人としての経験値が上がった気がした。だから、ぜひみんなにも色んな初めてに出会ってほしい。三崎町クラブには挑戦するツテや勇気がない子がまだいるから、私が何かのきっかけになれたらなって思ってる。
 もう一つの視点が一人の人として。自由な時間が大量にある大学生活の中で、何か夢中になれるものを見つけてほしい。まあその頑張りたいことの1つがIVUSAだったら嬉しいけど、別にIVUSAガチ勢が偉いわけじゃないし、みんなにそうなってほしいとも思ってない。でも、語れる何かがあるってすごく魅力的なことだし、毎日が充実すると思うんだよね。最近の私はクラブ・マネージャーとクラブ員っていう関係じゃなくて、気分は家族みたいな感じなのね。親心みたいな。だから、頑張りたい何かがあってIVUSAにあんまり関われないっていう子がいたら、自分のやりたいことを頑張ってほしい。まとめていうと、深みのある人になってほしいって感じかな。


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写真:今年の学祭での集合写真


―親目線なんだね。

 いやもう可愛くて可愛くてしょうがない(笑)。


―今後は任期終わるまでクラブマネージャーとしてどんな事を頑張っていきたい?

 クラブの割合として1年生が多いんだけど、私物覚えが悪くて名前と顔が全然一致しないんだよね。みんなと喋りたい!あとは、みんながクラブをどう思っているのか知りたい。一人一人の声って一応、グループ長や班長を経由して色々吸い上げるような機会は作っているつもりだけど、私に届くものって意外と少ないから、もっと一人一人と腹割って喋りたいなあっていうのは思う。もうすぐ来期だしね。


―なるほど。頑張ってください。これからの三崎町クラブに期待しています!

 ありがとうございます!


―じゃあ、次は活動について。今まで結構参加してきてると思うんだけど、その中で一番思い入れがある活動とかはある?

 これ難しいんだよね。もう選べないってくらい今まで参加した活動全部が宝物で、一個一個に思い入れがあって。でも、その中でも泣いた活動は特別かな。最初に泣いたのは1年生のときの*1とちお祭で、関西の班員が帰るときに号泣して、もらい泣きしたな。1年の春に行った十日町雪まつりは、先輩に夜ボロクソに言われたの。「ウェーイ!」って騒げるのが自分の強みだと思っていたから、全力で祭りを楽しんでいたんだけど、薄っぺらかったんだなあっていうのを色々考えさせられて、号泣した。次は2年の*2報告会のCMT劇かな。練習はたった一か月間だったのに、語りきれないほど色んなことがありすぎて。あの短期間であんなに泣けるような経験ができたのは、人生通して最初で最後な気がする。次は…。多くてごめんね(笑)。


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写真:CMT劇の様子(黄色の服を着ているのが井上さん)

―いいよ、続けて!

 次は、2年の夏に初めて*3子ども隊で愛児園に行った時で、初めての統括もやったんだけど全然うまくいかなくて。笑顔が取り柄だったのに、子どもたちの前でそれができなかったんだよね。それがすごく悔しくて。次は絶対子どもたちを笑顔にさせるぞと思って号泣したの。次は2年の春にほだれ祭りでプロジェクトマネージャーをやった時。唯一の2年プロマネをずっとコンプレックスに感じていたから、終わった瞬間にみんなの前で泣いたなあ。やるって決めた瞬間からずっと不安だったけど、「華だから頑張るよ」って言ってくれる先輩や同期、「楽しみですねー!華さんプロマネでよかったです!」って事前から言ってくれる後輩がいて、支えてくれるみんなが大好きでしょうがなかった。正直、プロマネとしてやれたことなんて1ミリもないんだよね。でも、私ができないことはみんながやってくれたし、補い合える良いチームだったなって思う。そうは言ってもやっぱり、プロマネって立場だったんだから、もっと活動に付加価値を与えることができたんじゃないかって考えて。感謝していたからこそ、ごめんねっていうのはずっと思ってた。


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―いっぱい悔し泣きしてきたんだね。

 そうだね。負けず嫌いで、感情表現激しいからすぐ泣くの。ただ、初めてのとちお祭は、「うわぁ〜い!」って感じで楽しい感情ばっかりだったな。とちお祭ってよさこいを踊るからよさこいの練習に事前から出なきゃいけなかったんだけど、1年生の時は遊びの予定を詰めまくってたから全然行けなくて。踊りには自信があったから、できないことが悔しくて家でめっちゃ練習したの。バカみたいに練習した。そのおかげかは分からないけど、1年のひよっこなのに百何十人っていう隊でよさこい統括の隣で踊らせてもらって。


―へぇ〜!すごい。

 *4ハニカミも「輝いていた人」に入れてもらって調子乗りまくってて、やりきれなかった悔しさはなかった。でも終わった後にこの頑張り方でよかったのかなってモヤモヤは残ったし、自己満だった気がしてきて。ボランティアってなんだろうって。だからこそ、その後の2年も3年も行き続けたいなって気持ちになったかな。


―それで、今年は*5スタッフマネージャーなんだね。

 そうそうそう!一応やらせてもらってる。やっぱり栃尾は思い入れが強いかな。

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写真:栃尾まつりでの井上さん


―じゃあ、次にプライベートのことを聞いていきたいんだけど、何か趣味とかはある?

 考えたよ!考えたんだけど、趣味は難しい(笑)。私、極端に寂しがりやだから、1人の時間とか自分の時間ってあんまりいらなくて、基本誰かと一緒にいたいんだよね。読書でリフレッシュみたいな時間はないなあ。だから、趣味…「喋る!」あははは(笑)。本当に昔からめっちゃ喋るんだよね。家族の中では「お喋りマシーン」って言われていて、お前はうるさいからマスクにばってんマークつけて、ずっとしてなさいみたいな感じだった。


―小さい頃からずっとそんな感じなんだ。部活はチアやってたんだっけ?いつからやってたの?

 小学5年生かな。本当にダンス人生だった。最初は新体操をやってて、小学校の時は学校から帰った途端に体育館に行って家に帰るのは22時過ぎで、そんなのがもう毎日だった。学校なんてどうでもよくて、新体操ばっかりだったの。でも、そんな生活を続けていたら、心も体もしんどくなっちゃって。なんで好きでやってたのにこんな鬱みたいになったんだろうと思ったんだよね。そんな時にチアを知って、始めたんだけど、なんかね楽しいんだよチアって。技術よりも大事なのは、観客や選手を勇気づける笑顔とか、元気とか、気持ちなんだよね。そんな、周囲の人を楽しませて笑顔にするっていう精神は今に生きてるのかなって思う。バイトもそうだし、地域活性化とかの活動にもだいぶ直結するのかなと思うし。将来的にも人を幸せにできることってなんだろうって考えたりもしていて。


―チアをやってきた経験が今も活かせているんだね。

 そうだね。チアで学んだ笑顔の力とか、応援っていう形で誰かの心の支えになったりする経験は活かしたかった。私、たとえば絵のセンスもないし、頭がキレるとかでもなくて、何のスキルも持ってないんだよね。でも、人間味のあるところは負けないと思っていて。街で歩いててよく道を聞かれたり、買い物してると店員さんに楽しそうって話しかけてもらったり、電車で隣の席の人と話が盛り上がったり。何でもないんだけど、そんな小さな温かい出来事がとっても嬉しくて。すごく抽象的ではあるけど、それが活かせるハートフルなことがしたいとは思ってる。それで今、たどり着いた中間地点がIVUSAなのかなって思う。

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―確かに人間味はすごくあるね。それでは、最後の質問にいきたいと思います。あなたにとってIVUSAとは?

 「バカ頂上決戦」。バカであるほど輝ける場所だと思うんだよね。ここには色んなタイプのバカがいると思う。大騒ぎして周囲を巻き込んで盛り上げるような人とか、そんなこと考えつく?みたいなぶっ飛んだ意見を持っている人もいて。そんな風にみんなそれぞれ自分の強い部分で勝負しているんだけど、型にとらわれないバカさはみんなに共通してると思う。そういう、人としての厚みや深みって意味で面白い人がたくさんいる集団だなって。だからこそ、IVUSAってすごいなあと思うんだよね。大学生にもなってこんな夢中になって「バカになれる」のって、単純にかっこいいと思う。そして私も、そんなバカになりたいなあと思うし、個性とか、華らしさを大事にしたいなと思ってる。


―バカ頂上決戦か。その頂点に立ちたい?

 立ちたいね!私よりバカで面白い人はたくさんいるんだけど、その土俵には立っていたい。


―すごく華ちゃんらしい。

 もっと良いこと言いたかったけど出てこない。


―今までにない感じでいいと思う!ありがとうございました。

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インタビュー・編集:花岡香奈子(東洋英和女学院大学3年)
カメラ:清野姫史(神奈川大学3年)

*1:とちお祭:新潟県長岡市栃尾ふるさとづくり活動の一環で参加させていただいているお祭りです。今年のとちお祭りの報告レポートはこちらから blog.canpan.info

*2:報告会のCMT劇:IVUSAでは、毎年5月中旬ごろに前年度の活動報告を行う報告会を行なっています。その題目の一つとして「CMT劇」と呼ばれる災害シュミレーション劇を行なっています。

*3:子ども隊で愛児園:「栃尾こども隊」と称して、栃尾地域にある児童養護施設「愛児園」などで子どもたちとの交流を毎年行なっています。今年の活動の様子はこちらから blog.canpan.info

*4:ハニカミ:「活動で一番輝いていた人は?」などをみんなに答えてもらうアンケートみたいなものです。活動の最後や打ち上げの時にランキング形式で発表を行います。このランキングに入るために色々頑張る人もいます。とても盛り上がる、IVUSAならではの文化のひとつです。

*5:スタッフマネージャー:活動におけるリーダーのことです。