第85回IVUSATIMESは、報告会特集第3弾!今回は、5月27日に東京で開催される「東日本活動報告会」で行う、災害シミュレーション劇の監督である東京家政大学3年の芝沼佳奈さんと、助監督である神奈川大学3年畑木將汰さんを取材しました。監督、助監督の熱い想いをギュッと詰め込んだ記事になっています。最後までご覧ください!
―自己紹介をお願いします。
(芝沼):東京板橋クラブ東京家政大学3年芝沼佳奈です。
(畑木):神奈川白楽クラブ神奈川大学3年畑木將汰です。
―よろしくお願いします。まず、災害シミュレーション劇の監督、助監督になったきっかけを教えてください。
(芝沼):監督を募集していたので立候補しました。実はその頃忙しくて、辞めようかとも思っていたのだけど、報告会リーダーの芦田花織から背中を押されて監督になることを決意しました。
(畑木):正直、あれよあれよのうちに助監督になっていたかな(笑)。僕はCMT劇には関わっていきたいと思っているんです。去年演者としてCMT劇に参加してメンバーとの楽しい思い出ができたし、自分自身が成長できたんだ。
だからこそ今年の劇メンバーにも僕から何か与えたい。そして成長してほしいなという想いで助監督をさせていただいています。
―去年のCMT劇で二人は演者さんとして参加していたんだね。
(芝沼):うん、そうだね。一緒に劇をつくった仲間って感じ。
―そっかあ。今年の劇のメンバーの雰囲気はどう?
(芝沼):個性が強い!
(畑木):それと、ひとつの輪ができているって思う。みんなを見ていると親心じゃないけど、やっぱり嬉しいかな。今日は劇に使う道具をみんなで作った時にも一体感を感じたね。
―みんな、自主的に動いているよね。
(畑木):そう。僕たちが指示しなくても先頭に立つメンバーがいて、みんなで思考錯誤しながらやっているから。最初の頃はそうじゃなかったなあ。助監督としては嬉しいですね。
(芝沼):引っ張ってくれる子がいるから、「わぁ、すごーい」って!
5月12日の練習風景。劇に使う道具作りの様子。
(畑木):みんなが絶対同じ考えではないからこそ、自分の思っているものをそのままにしないで、劇のメンバー同士でぶつけてあってほしい。内に秘めるんじゃなくてさ、みんなで意見言い合って、喧嘩してもいいと思うんだ。
―監督のやりがいってあるかな。
(芝沼):んー。でも、すごく大変だよね(笑)。
(畑木):まぁ(笑)。
―大変?
(芝沼):ほぼ毎日の練習に監督と助監督も参加しているから、体力的な面でも精神的な面でも大変。でもそれ以上に劇メンバーが成長する姿を見るとすごく嬉しくなるんだ。
(畑木):そうだね。僕はみんなが仲良くなっていく姿が一番嬉しい。劇メンバーも最初は知らない者同士だから、やっぱ最初はギクシャクするんだわ。でも、みんなが切磋琢磨していくうちに仲間の大切さや絆が分かり始めているのを感じる。それが嬉しいなあ。
―なんかさ、みんな個性が強くない?
(芝沼):強いよ(笑)。
―ここまで団結するまで大変だったんじゃないかなって思いで練習を見てた(笑)。
(畑木):みんな我が強いんだ(笑)。
5月12日の練習風景。何かを作っています。仲が良さそう!
―二人は意見がぶつかったりしない?
(芝沼):うーん。あんまり付かず離れずって感じかな。私は宮城県出身で震災を経験しているからこそメンバーにアドバイスが出来るかなと思ってる。畑木は雰囲気づくりの役割をしてくれているんだ。
―役割ができているんだね。劇で伝えたいことってあるかな。
(芝沼):個人的な話もあるけど、私は被災した経験があって「震災」を忘れてほしくないなって思う。私達っていつ巨大地震が起こるか分からない災害大国日本で暮らしているだよね。だからこそ「危機感」をもって生活しなきゃいけないんだなって思うから、その災害の恐ろしさを伝えたい。
―畑木はどうですか。
(畑木):「命」の大切さかな。劇中でも助かる命と助からない命を表現していて。もしかしたら明日突然大切な友達が亡くなるかもしれない。だから命について改めて考えてほしいな。あとは、災害が起きたときにどう対応するんだろうとか、長年災害救援のノウハウがあるIVUSA学生ならではの劇なのでそこを伝えていけたらいいかな。
―劇の見どころは?
(芝沼):一番は学生が作っているところかなあ。私たちは1か月半ほぼ毎日練習してきたということだけなんだけど、そこにある学生の本気、熱意を見てほしい。
―そうだね、それで心を動かせたらいいよね。メンバーの成長が嬉しいって言っていたけど、監督、助監督をして自分が成長したなって思うことはある?
(芝沼):私は、今まで後輩を間近で指導する機会があまりなくて。どうしてもIVUSAって組織だから後輩と一緒の目線に立って劇を作っていくことって滅多にないと思うから、それがすごく面白いなって思った!
―新鮮だよね!
(芝沼):うん。あとは後輩とコミュニケーションをとったり相談事に乗ったりとか。
―距離が縮まるね。
(芝沼):そうだね。あと、監督として心掛けていることがあるんだけど、みんなの「お姉さん」みたいな感じでいようかなって。監督じゃなくて、お姉さん。
―お姉さん!かわいい(笑)。
(芝沼):監督っていう立場はすごく難しい。みんなと同じ目線で作りたいけど、みんなにとっては去年の劇の先輩だなって思われている一面もあるんだよね。私も伝えたいことはあるから、お姉さんでいようかなって思ってる。
―監督だけど身近な存在なんだね。畑木は心掛けていることあるかな。成長したなって思うことはある?
(畑木):多分めっちゃ成長してるんだよね。
―めっちゃ成長してる!?
(芝沼):なんだそれ!(笑)
(畑木):考えることがすごい増えたかなって。本当に言葉にできないんだけど、色々考える…。
(芝沼):一番ポジション的に助監督って難しいよね。
(畑木):助監督をやったことがなかったからこそ、最初は戸惑っていたんだ。
―難しいよね、言葉にできないものってあるよね。
(畑木):助監督として最初の頃より確実に何かが確実に変わってる実感があるんだ。でも言葉では表せないんだよね。申し訳ない(笑)。
―じゃあ、心掛けていることは?
(畑木):助監督は引っ張るっていうよりむしろ一番下で支えるような縁の下の力持ち的ポジションでやれたらいいなと思ってる。そっちのほうが自分には性に合っているかなと。ムードメーカーとして底から盛り上げたいんだよね。
―二人ともアプローチの仕方は違うけれど、仲間としてみんなと劇をつくっていきたいって考えているんだね。じゃあ、当日の意気込みを!
(畑木):「学生の本気を見せたい!」さっきも言ったけど、全員が東日本大震災で被災しているわけではない。本当に普通の大学生が集まってやっているんだよね。だからこそ僕たちの想いや熱意を会場の全員に伝える勢いで、僕たちは今練習しているんだ。来てくれた人たち全員に考えてもらえるきっかけになりたい。気持ちを変えさせたい!
―宣言したね!
(畑木):させます!変えます!
「俺たちの本気を見て欲しい!」
―そっか!じゃあ、監督の意気込みを聞かせて。
(芝沼):「私たちがつくる災害現場に1000人を巻き込みたい」かな。自分だったらどうするんだろうって、当事者意識をもって見てほしい。それを伝えられるのが劇だって思う!
「私たちがつくる災害現場に1000人を巻き込む!!!」
―当日楽しみにしています。二人ともありがとうございました!
(芝沼)(畑木):ありがとうございました!
インタビュー、編集:江花日和(神奈川大学3年)
カメラ:三井明花(跡見学園女子大学2年)
~編集後記~
「監督」てどんなイメージだろう。映画監督のようにカチンコを鳴らして、「カット!」なんてイメージが強いですよね。
今回取材させていただいた芝沼さん、畑木さんは、そういう監督のイメージとは違う。演じるみんなと監督、助監督も含めてみんなが仲間なんですね。1か月半という限られた時間で練習を積み重ねるからこそ、常に全力な彼らは濃い時を過ごしていると感じました。学生ってステキだなあ。
本番まであと数日!応援しています。