IVUSA TIMES

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第91回「I:いい出会いが V:ボランティアで U:うるさいけど S:最高の仲間と A:会える」山本大斗さん

第91回IVUSATIMESは、龍谷大学深草クラブ4年の山本大斗さんです。きつくて大変だけど1番必要とされてる災害救援。そんな災害救援を通して山本さんが感じた、思わず息が止まるような経験とは一体何だったのでしょうか!?
普段気づかないことも、あ!っと気づかせてくれます!山本さんの溢れ出るユーモアで、思わずクスッと笑ってしまう魅力満点の記事です!ぜひご覧ください!!


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―自己紹介よろしくお願いします。

はい。龍谷大学4年の山本大斗です。よろしくお願いします。


―お願いします!早速ですが、IVUSAに入ったキッカケは?

もともと人の笑顔が好きで、人を笑かすのとか、人のために何かをするのが好きで、大学に入ったらボランティアしようと思っててん。
それでうちの大学って新歓の勧誘がゴリゴリなことで有名なんやけど、キャンパス自体狭いから、そこら中に勧誘する人がおるわけやねんな。
最初ちょっと避けても、また見つかって絶対「話聞きに来て」って言われて(笑)。実際にそこでIVUSAを初めて知って入ったって感じかな。


―そんなに勧誘がすごいんですね(笑)。ちなみに大学入学前、高校時代は何かやられていましたか?

中高ずっとバスケをやっていてシュッとしてたんだけど、大学入ってから20kg太って(笑)。あ、俺がやせてたときの写真載せてくれへん?実はこれを載せて俺のファンを増やしたいっていうのがあんねん(笑)。本当にびっくりするよ。これ高校3年生の時68kgで今が90kg台っていう。


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写真:シュッとしていた頃の山本さん。


―すごいですね…別人のようです(笑)。山本さんは災害救援活動に積極的に参加していると伺ったのですが、その中でも1番印象的だった災害救援は?

初めて災害救援に参加したのが熊本大地震の時の3,4次隊で。4月28日ぐらいから行ったから、ゴールデンウィークまたいで10日間ぐらい行ってん。そのときに1個上の先輩と一緒に、被災してもう取り壊さないといけなくなった家に入らせてもらって、家具だしをしました。
俺は作業だと思って家具だしをしてたんやけど、ある事があって意識が変わって。襖に入ってた段ボールを出したら、その中に昔の卒業アルバムとか成績表とかあって。そのお宅には70歳ぐらいのご夫婦と40歳の息子さんのご兄弟が来られてて、みんなで段ボールを囲んで「あー、こんなんあったな、あんなんあったな」って、思い出を語り合いながらめっちゃ笑顔になってて。それ見た瞬間、家具だしをやった意味があったんやなって思った。
だから災害って作業になりがちで、そういうことを最初に熊本で思ったから1番印象には残ってる。


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写真:活動中の山本さん

―そこが転機だったのですね。今まで経験したボランティアの中で、災害救援と他のプロジェクトの違いというのはありますか?

災害救援は「1番求められてるボランティア」っていうことやと感じている。災害救援以外にも、色んな地域活性化、環境保護の活動に行ってきたけど、住んでるところがあって、その住んでるところが活性化していきたいって感じじゃん。
でも災害の場合は全然訳が違って、「目の前に明日まであった家がない」とか、「想像できないほど壊れている家がある」だとか、明日住む家がないっていう方がたくさんおられる中で、自分の中の絶対何とかしないといけないんだという危機感というか、そういう気持ちが特別違うかな。


―その違いは根本的にありますよね。最近日本で災害が増えているなか、これから災害救援に行く後輩達に気にしてほしいことはありますか?

マンパワーっていうのはもちろん大事やねんけどやっぱり、「人との関わり」っていうのが1番大事かなって。実際に災害で壊れたお宅であろうと無かろうと、その被災された地域ですれ違う方と積極的に話して、人と触れあう関わりあうことで「心のボランティアをする」っていうか、そこも結構意識してほしい。
だから今後、災害救援行くときは、もちろん作業も大事やねんけど、心のボランティアっていうのを大事にしてほしいかな。


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―なるほど、人との関わりをするためには、ボランティアの側が元気であることが一番大切なのかなと思いますね。関わり方を通して、災害救援に行って1番得られるものは何ですか?

日常の感謝かな。熊本の時もそうやってんけど、最初4日間は風呂に入れんかった。ライフラインが破綻したところに入っていったから、4日間泥まみれで活動しました。
水も正直ごくごく飲んだり、手も洗ったりできひんし、そのときに「日常ってありがたいな」って。どんだけ恵まれてんねやろって。もちろんずっと災害現場で活動することはできないから、家に帰る、非日常から日常に帰ってくるやんか。俺らが日常生活に帰ってきた一方でまだ非日常の人がいるっていうすごいギャップがあって。だからこそ、日常のありがたさがわかる。だからお母さんありがとうって思うもん。


―それはかなり実感できますよね。ちなみに災害救援中での雰囲気ってどんな感じですか?

結構災害救援は本気な人ばっかり来るって思う人もおるかもしれんけど、そんなことなくて、誰でも行ってやる仕事はある。ただ、良い意味でぴりぴりしてるというか、やっぱり絶対にふざけてられへんし、ほんまに困ってらっしゃる方ばっかりやから、ある程度気張っとかんとアカンね。


―そんな災害救援活動で大事にしたいことは?

俺が1年の時からめっちゃ先輩に良くしてもらっていて。恩返しとして何かできるかなーと思ったら、先輩から教わったことや、自分が経験したことを後輩に伝えたり。結果的にはそれが恩返しになると思うから偽善者気取りって言われても後輩は大事にしてる。
あと上下関係のこともなんやけど、最近の子挨拶がないんよね。挨拶なしの自己紹介なしの子が多くて、結局その子ら何が困るって社会出てから困るって思うねんな。
活動中も自己紹介してたら「◯◯くん、こっち来てや」って言えんのに、最近めっちゃ増えたのが「そこの青い服の子来てや」とか。だから礼儀・マナーも大事に意識していますね。


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名前で呼ばれたら嬉しいですもんね



―話が変わって、次はいわゆるラビューサについてお聞きしたくてけど…。

ivusaって酒弱い人多いねん。その割に飲もうとしはる人おるし、けど俺めっちゃ強いから一緒ぐらいのペースで飲んで、つぶれて優しくしてそのまま、、、なんもせんけどね(笑)。
でもラビューサで1番困るのは先輩の元カノとか、だいたいモテる女の子って探っていったらいろんな人とつながりがあるっていう感じやから、うかつに手出したら実はあの人、あの人の元カノでとかなったら、「いや、マジかー」ってなる。だからそこら辺は気をつけてね、ほんと。


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―大斗さんって、2年連続選挙出られてたと思うんですけど…。

そう、俺深草クラブがめっちゃ好きで。自分なりに学祭や新歓もクラブに対して全力で向き合ってきた。関東ではわからんけど、関西は学祭の展示って結構ゴリゴリな感じで。
大学の授業が終わったら、22時までは大学で展示準備して、そこからはいろんな下宿生の所に分かれて朝の5時ぐらいまで作業して、ちょっと寝て1限出る。そして昼は会議、夕方は授業が終わった人から作業してっていう、その流れが2週間ぐらい毎日続くっていうのが深草クラブの学祭の展示やねん。


ーそれはなかなか凄いですね。

きついんやけどみんなアホやねん。そのアホなんが面白かったりすんねん。最近皆が言ってることが、学祭って言うても一ヶ月で、授業って5回欠席でアウトな授業多いやん。だから1ヶ月4週やとして、あと1回も休まんかったら大丈夫みたいな。学祭は別に関係ないんちゃうみたいな。
その展示を1年でやって2年で学祭リーダーやってクラブの同期の想いもあるんやけど、後輩もめっちゃ好きで。2年の時はトップ立ちたいなって思って選挙出てんけど、3年から4年に上がるときの選挙はめっちゃ迷って。4年ってクラブへの関わり方がめっちゃ難しくて、言うなれば老害やんか。クラブって3年が結構主軸やんか。
でも、そんなこと気にせずにあと1年クラブのためにやりたいし、後悔したくないって思って、クラブマネージャーに立候補したんやけど敗けちゃって。まあそれでも、4年生って1番経験値が高いから、それをクラブの子に還元して終わろうと思って。結果はどうであれ全然悔しいとかはないかな。
まあ今年も出ようと思ってるから。また負けたら三冠達成やで(笑)。


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写真:選挙時の山本さん。


―今年も立候補予定ですか(笑)。クラブマネージャ-や役員の業務って苦にならないですか?

そう、最近それも思ってて、業務しんどいから嫌とか。もちろんそうやねん。でもそれは目先のしんどい業務しか見てないから。学祭リーダーの時もそうやってんけど、それぞれさ、なんかをやりたくてリーダーとかサブとかやったりするやん。その何かっていうのが漠然としすぎてて皆しんどいんやって。俺はめっちゃ楽しい結果を思い浮かべて、あそこまで駆け抜けたいと思ってやってる。
でもそこまでには色々な壁がある。その壁をくぐり抜けるために業務があると。でも今はそれが逆で、「業務をやらなアカン」、「何に向かってるかわからんど業務をやらなアカン」ってなってる。その結果後輩達の顔は暗くなってることが多いから。
で、どんどんネガティブなってってその日暮らしの業務業務になっている。だから、いざ蓋を開けたら、思っていたゴールは全然違うくて、結局業務はしんどいだけ、達成感もない、みたいになってIVUSAを離れてしまう子もいる。
八巻(28期学生代表)の言葉借りるのイヤやけど、「ワクワク」せんとあかんなって。クラブマネージャーはもちろんしんどいと思うけど、やっぱり楽しいことするにはしんどい事もしないとあかんしね。


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写真:以前八巻さんはIVUSATIMESにも取り上げさせていただきました!『第82回「ワクワクする場所」八巻誉人さん』



―あなたにとってivusaとは?

俺な、あいうえお作文考えて来てん。

I:いい出会いが

V:ボランティアで

U:うるさいけど

S:最高の仲間と

A:会える

っていうのも、俺が災害とか諸々通して感じてきたのが、本当に色んな出会いがあったなって。先輩、後輩も事務局さんも、現地の人たちも、いろんな出会いがボランティアっていうツールを通じた出会いがあったなって。
仲間に関してはうるさくてアホばっかやけど、何か一つの目標に向かって皆で一直線に向かえる奴らに会えたことって財産かなって。俺本当にIVUSAが無かったら、今頃普通に大学で一人で勉強して単位とって…ってしてたんやろうけど。IVUSAは大学生活のモチベーションかな。ここに来たら後輩、同期に会えるとか、俺にとってすごくかけがえのない存在となってます。


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インタビュー:二ツ矢裕悠(関西大学3年)
編集:阿部知己(関西大学2年)、髙橋諒(神奈川大学3年)
カメラ:髙橋諒(神奈川大学3年)

~編集後記~
編集を進めていくうちに、「大変なこと」って取り組んでいて辛いはずなのに、何故喜びややりがいを感じることができるのか、微かに解りかった気がする。
いろいろなことを今回のインタビューで共通するのは他人の立場に立ち、思いやること。誰にでもできそうだが、常に意識しているのは世の人々の1割にも満たない。その1割に私もいたいと思いました。
しかし、文中にあったように、朝5時まで展示準備をするのはどうなのだろうか。確かにアホができるのは面白いし青春を感じるが、それに付き合わされているアホではない人たちはどう思っているのだろうか。(髙橋)