IVUSA TIMES

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第108回「やりたい事に対して真剣に取り組める場所」清家太郎さん

第108回IVUSATIMESは、今回初めて行われる沖縄県石垣島海洋漂着ゴミ水際掃討大作戦でプロジェクトマネージャー*1をされる群馬高崎クラブ高崎経済大学4年の清家太郎さんです。実は大学生活沖縄に行くのは、今回で9回目になるそうですよ!たろうさんの沖縄の活動に対する思い、石垣島の活動に込められた思いとは・・・?

今回のメニューは、
1.石垣島で清掃活動やるのは何で?
2.実はこんな経験してます+この活動でしかできないこと
3.沖縄年間チームの未来
4.IVUSAは「やりたい事に対して真剣に取り組める場所」

の4本です。お楽しみに!



1.石垣島で清掃活動やるのは何で?

ーまず、自己紹介をお願いします。

群馬高崎クラブ高崎経済大学4年の清家太郎と申します。同期からは「たろちゃん」、後輩からは「たろうさん」って呼ばれています。よろしくお願いします。



ーよろしくお願いします!今回石垣島で初めてのプロジェクトが始動する訳ですが、その背景を教えてください!

石垣島って一般的には『旅行』がメインじゃないですか。奇麗なビーチに行ったり観光地で美味しいモノ食べたりするイメージが強いと思うんですけど、実は沖縄県で1番ゴミが漂着する場所で。



ーそうなんですね!それは初耳です。

そう!その中でも日本のゴミ以外にも、台湾や中国、韓国といった外国からのゴミが多く漂着していて。それが元で奇麗な石垣島の海が汚くなって、生態系が脅かされているのが状況なんだよね。それを自分たちIVUSAが知って、今回初めての活動として「やろう」と。


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写真:石垣島の海岸


ー石垣島は美しいという印象が強かったのでちょっと驚きです。ちなみにゴミ拾いの活動は山形や対馬でも行われてきましたが、石垣島の活動ならではの特長はありますか?

今回は5泊6日で活動して、3日間は清掃活動、1日観光、後は移動日という形になります。その中で石垣隊の特長は、観光の要素だと思っています。対馬では観光でカヌーをやったみたいで、石垣では自由に班行動したり、グラフボード体験や博物館見学をしたりします。表の石垣島っていう美しい観光地としての姿と、実は抱えている大変なゴミ問題といった裏の石垣島の姿といったギャップを同時に見ることがとても大切。それができるのが石垣島の活動ならではなのかな。
それと、現地の高校生と一緒に活動させていただく機会があって、そこでIVUSAがこれまでゴミ拾いを続けていることの背景にある社会問題をどうやって知ってもらうか。同時に今回初めてということもあって、現地の行政の方にもこのことを知ってもらうといった第一印象を担う隊だってことも今回の活動でしかできない責任ある役割だと思います。

ー沖縄県戦没者遺骨収集活動(以下、遺骨収集活動と略)でも、過去の戦争に向き合うのことと、現在の発展した沖縄を観光するのこと、その対比する点が似ていますね。その第一次隊としてプロジェクトマネージャーを務めようと思った動機というものは何ですか?

実は今まで遺骨収集活動を通して、プロジェクト幹部として色々経験させていただいて。その縁もあって事務局の方から「沖縄県で他の活動に携わってみないか」っていう話をいただいたのがきっかけかな。



ーそうだったんですね!新しくプロジェクトを始めるときって準備段階でも色々な調整が必要そうですよね。

そう!そこで「一緒に頑張りましょう!」と1年間考えたときに、石垣のゴミ問題を知る機会があって、ゴミ問題に対して解決のアプローチを探してみようとしたのが去年の6月くらい。そこから実際に活動としてやってみようと動き始めたのは9月で、石垣島にゴミが漂着する秋から冬にかけて現地調整に行って活動できるか否かを判断してという過程があってね。そしてここまで一緒にやってきた人から声をかけていただいて実現することになりました。


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2.実はこんな経験してます+この活動でしかできないこと

ー実際プロジェクトマネージャーとして動いてみてどうですか?

実はそれとロジスティクスマネージャー(以下ロジマネ)*2を兼任しているのでなおさら(笑)。



ー兼務されてますよね!大変そうです。

4年間を通してスタマネ*3・アドマネ*4・ロジマネは全部経験させてもらっていて、得意な隊全体の調整の面では今のところ上手く進んでいるのですが、後はプロジェクトマネージャーだけだったというのもあって、全体を見て隊員に適切なアドバイスをするのが僕にとってちょっと難しい点かなと思っていますが…。ひとつひとつのプロジェクトやクラブで先輩方や事務局の方にお世話になりながら挑戦できる場を与えて下さっていたので、そこが今回のプロマネとしても生きている部分ではありますね。



ー3つ全てをこなすなんてすごいです…!プロマネとして難しい点もあるかと思いますが、今回のこの1次隊に対する清家さんの気持ちを聞けたら嬉しいです。

まず1次隊として活動範囲を完遂するのが目標です。それと同じくらい現地の方にゴミ問題について少しでも知っていただけるような活動にできたらなと思ってます。
今、ゴミ問題を石垣島の方々も知らないといったケースが多くて。自分ような島以外の出身者ならなおさら知っていないことだと思いますが、それに対してあまりアプローチできていない消極的な状態です。それに対して自分達IVUSAが積極的に取り組んでいくことによって、まずは石垣の地域の方や行政の方にこの活動を知ってもらえればと。今後は一緒になってゴミ拾いできるような環境にしていきたいな。
 


ーそうなると、ニ次隊、三次隊と繋げていく必要性も見えてきますね。

そうだね。1度やってみるというところから、どんどん次に派生して地域の人と一緒にやりたいな。今回現地の高校生と交流会をしたり伝統舞踊を見させていただいたりする機会があるので、この機会を使って高校生も海ゴミ問題について興味をもってもらいたいです。あと、現在沖縄の学生がIVUSAに2人入ってくれていると思うんですけど、今後IVUSAに入ってくれる学生が増えれば良いなと思ってます。



ーそうですよね!現地の学生との交流は他に何をやるんですか?

現地の学生との交流の中で授業を行わせていただきます。今のところ石垣島から通いやすい大学がなくて、そういう地理的な背景もあって高校卒業後は社会に出て働く子が多いとのこと。そういった普段大学が身近にないといった事情もあって、「IVUSA学生とせっかく繋がりを持ったから、生徒ととの交流の機会が欲しい」という声をいただきました。
例えば、IVUSA学生が「何でこの大学、この学科を選んだのか」っていう話や、大学生として楽しいことや苦しいこと、不安なこと、将来の夢、今取り組んでいるボランティアで何が得られたかとかをざっくばらんに。



ーIVUSA学生が授業やるんですね!

そう。自分たちにとっても現地の学生との交流って大きいと思っていて。石垣島に知り合いや友達ができるってすごい夢じゃない??



ーはい、離れたところに友達がいるのは憧れます!

そうそう、今年IVUSAに2人沖縄の大学生が入ってくれて沖縄から勉強会で東京や京都にわざわざ来てくれて!IVUSAに入って遠隔地にそういうつながりがあるのは、すごい魅力的だなと思って、石垣の現地の学生とも今後友達になれたらすごく嬉しいなと思ってます。


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写真:関東勉強会の集合写真


ー良いですね。あと伝統舞踊を見せていただけるのもすごいですね!

今回お邪魔するのが毎年伝統舞踊部門で国体に出ているような凄い高校で。今回はIVUSAに八重山舞踊っていう伝統舞踊を見学させていただく予定です。八重山舞踊の内容が豊作を願って感謝の祈りを神様に捧げる踊りで、笑みや苦しい顔をしないで無表情で踊るのが特長みたいだよ。校長先生に石垣島の観光や食事以外の伝統的な部分を知れるプログラムをやりたいですって提案したところ、「是非こういうのがあるから見て行って下さい」と快諾していただきました。本当にありがたいです。


3.沖縄年間チームの未来

ー勉強にもなる活動ですね。少しコアな質問をしてしまいますが、現在沖縄での活動を担当する年間チームがあると思います。今回の石垣島での活動とはどのような兼ね合いになっているのですか?

今の沖縄年間チームは遺骨収集活動をメインとして活動を行ってきましたが、せっかく石垣島の活動が新しくスタートするので、来年は沖縄全体の活動をひとまとまりにすることによって部署分けしたいです。例えば沖縄の中で細分化して、沖縄学生部門、石垣部門、沖縄県の遺骨収集部門とか。沖縄以外の遺骨収集も行っているから、それは政府派遣部門とか、枝分かれしてて沖縄全体としてのくくりで作っていきたいなと思っています。



ー部門ごと分けるんですね!石垣の部門についてお聞きしてもよろしいですか?

はい。特に石垣の部門としては、春夏年間を通してやるためにゴミ問題に関して何か働きかける活動がしたいです。実際にゴミが漂着するのは秋~冬が多いとは聞いてはいたけれど、規模的には大きくありませんが、夏にもゴミ拾いが行われているのがFacebookで上がっていました。なのでIVUSAでも協力して何かできないかなっていうように、年間チームを作っていきたいです。


ー今年は遺骨収集がメインだったと思うんですけど、これからは石垣のことも一緒に沖縄の年間チームで考えていく方向なんですね。

そうだね。今の沖縄県内でIVUSAに入っている子達も沖縄県内で新しい活動や新しい会員を作りたいって話してくれていて。だからその手助けではないけれど、石垣島の活動や沖縄の活動を通して繋げていきたいな。



ー石垣島の活動を通してこれからが楽しみですね!私学校が入ってしまいキャンセルになってしまいましたが、お話をお聞きして行きたくなりました…。

来て欲しかった。来年以降来て貰えたら!夏でも春でも年間を通してやれるような環境が沖縄学生にとっても、今後沖縄学生をIVUSAに増やすためにも継続的に活動するのが必要だと思うし、沖縄以外の本島の学生にとっても沖縄での活動が増えることによって何かアクションを起こせるチャンスが沖縄の活動、石垣を通してできるなら良いな。


4.IVUSAは「やりたい事に対して真剣に取り組める場所」

ー最後に「あなたにとってIVUSAとは」をお聞きしたいです。

自分にとってIVUSAとは、『やりたい事に対して真剣に取り組める場所』です。4年間IVUSAを続けてみて、本当に人に恵まれたなと思っています。僕は石垣島の活動も含めてプロジェクトに特に力を入れて4年間取り組んできました。その中で、「これやってみたいです」「この活動に対してもっと考えてみたいです」って先輩や事務局の方に話したとき、すごく真剣に話を聞いて下さって。それで「こういうこと挑戦してみない?」と、自分のやりたいことに対してチャンスをたくさん貰いました。それもあって、IVUSAはやりたい事に対して熱中できる、夢中になれる、真剣に取り組める場所。同期や先輩、後輩と一緒に真剣に社会問題に対して取り組めるのがすごく良いなと思って今まで続けてきました。



ーIVUSAの活動は自分次第ですごく広がりますね!今日はありがとうございました。


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インタビュー:内藤美紀(神奈川大学3年)
編集:内藤美紀(神奈川大学3年)、髙橋諒(同大4年) 
カメラ:松本知穂美~supecial thanks~


編集後記:内藤美紀

これまでIVUSAは様々な場所で清掃活動を行なってきましたが、石垣島で行う清掃活動は活動期間が長く、「見る」「考える」「伝える」の要素がたくさん詰まっていると思いました。私も毎年沖縄県の遺骨収集活動には参加しているのでこの活動はとても興味がありました!沖縄の活動にたくさん参加されているたろうさんの思いをお聞きし、沖縄×IVUSAの未来が楽しみになりました。活動応援しております!

*1:沖縄県石垣島海洋漂着ゴミ水際掃討大作戦のリーダー

*2:ボランティア活動での主に移食住を担っているセクションのリーダー。

*3:班長や勉強会などのセクションをまとめるリーダー

*4:会員管理や会計、広報、渉外などのセクションをまとめるリーダー