IVUSA TIMES

日本最大級のボランティア学生団体IVUSAの素顔が読めるWEBマガジン

第125回「挑み続ける場所」栗田季南さん

第125回となるIVUSATIMESは、越谷クラブ3年の栗田季南さんです!飯山市活性化活動の年間チーム長や埼玉唯一の拠点である越谷クラブでクラブマネージャーとして活躍されている栗田さん。今回は飯山年間チームでの活動やクラマネ選挙に出た経緯、クラブ員に対する想いを伺いました!ぜひ、最後までご覧ください!

今回のメニューは、

の5本です。お楽しみに!

―では自己紹介をお願いします。

はい、埼玉越谷クラブ3年の栗田季南です。よろしくお願いします。

―本日はよろしくお願いします!

1.飯山年間チームの発足

―栗田さんは飯山の年間チーム長をされていますが、飯山の年間チームは何がきっかけで始まったんですか?

今までだと飯山市活性化活動は夏、2月、3月と年3回、現地で活動をしていました。でもコロナが流行してからは現地での活動がほとんどできない状態になってしまって。そこで平野裕真さんをはじめとした飯山に熱意を持った4年生の方々の声から、昨年飯山インスタプロジェクトが始まりました。2か月くらいの短期間でのプロジェクトだったのですが2000人ものフォロワー様に恵まれ、これからも続けたい、コロナ禍でもできることをもっとしたいよねという想いから、年間チームを作りました。


―飯山のインスタすごいよねという声は結構周りでも聞いていました。年間チームではどんなことを行っているんですか?

正直、前期は年間チームとしての基盤を作ることで精一杯で飯山の方と何かをやっていくというところまでは行けませんでした。夏頃に飯山市の方とオンラインでお話をする機会を設けたのですが、そこでようやく地元の方のニーズが見えてきたんです。こんなこともやってみない?というようなお声がけもいただけたので、後期からようやく色々動けそうだなと思っているところです。

―なるほど。後期からどんどん飯山市との関わりも増えていくということで、楽しみですね!


―インスタの投稿を見て、統一感があっておしゃれだなという印象を受けたのですが、飯山のインスタ投稿で工夫されていることはありますか?

そうですね。それぞれの得意分野を活かしているというのはあるのかなと思っています。画像編集が得意な子が幹部に混ざってたくさん意見を出してくれたおかげで綺麗なレイアウトができました。あとは海外の方もフォローしてくださっているので英訳もつけています。英訳に関しては英語を話せる子がいるので、その子をはじめとした英語が得意な人で担当しています。それ以外に文章を書く部分も最初の一行目は目を引くようなキャッチフレーズをつけるようにしています。

飯山市の魅力を発信するInstagram

―細部にまで工夫が凝らされていますね!次に、飯山活動のこの魅力的なところを教えてもらいたいです。

私が関わり始めたきっかけにもなるんですが、とにかく人が温かいです。私は実際活動として現地に行けたことはまだないのですが、先輩方が現地の人は温かい人たちなんだよと仰っていて。その先輩たちもめちゃめちゃ温かい人たちだったんですね。活動に参加する中ですごい居心地がいいなぁと感じました。以前IVUSATIMESの記事で、平野裕真さん*1が自分にとってIVUSAとは「居場所」であると仰っていましたが、それも人の温かさからきているのかなと思ったりしますね。
あとは今の飯山の活動で言うと、すごく熱心な人が集まったという印象があります。なので、切磋琢磨できる環境が飯山には揃っているんじゃないかなって。それぞれが自分の得意分野や軸を持っている人が多いので、そういう部分ではものすごく刺激を受けられる場所として魅力があると思います。

―ありがとうございます。

飯山インスタPJの交流イベント「みんただ(みんなでただただ遊ぶ会)」

2.「見守って支える」クラブ運営

―栗田さんは越谷クラブのクラマネをされていますが、クラマネになって良かったことはありますか?

そうですね。クラマネとして活動していくことが単純に楽しいです。時々後輩に頼り過ぎちゃってるかなと思う時もあるんですけど、そんな後輩たちがいつの間にか頼れる先輩になっていて、同期との絆が深まっている姿などを見ると、辛かったことや大変だったことなんて全部飛んでいっちゃいますね(笑)。
あとは、クラブ員に対してももちろんですが、外部においてもクラマネということで名前を知っていただける機会が増えたり、交友関係も広がったりしたのでクラマネになってよかったなあと思います。


―なるほど。クラマネって忙しいイメージがあるのですが、半年間クラマネを経験してきて実際はどうでしたか?

クラマネって忙しそうだなというイメージがあるかもしれないんですけど、どうなんでしょう。他の人に聞いたら違うかもしれないけど、クラマネとしての業務があるかって言うとそんなにないのかなと感じています。仕事が明確でないからこそ自分からやることを見つけていかなくちゃいけないと思うんですけど、それが難しい人は難しいかもしれないし、自由に動きたい人や新しいものを作り出したい人にはすごく向いていると思います。

―そうなんですね!

クラマネ仲間と1回話したのは紙に書ける業務が少ないということです。クラマネの業務ってクラブの地域への価値貢献だったり、クラブ全体を回していくことだったりすごく抽象的なことが多いです。だからIVUSAの掲示板で何をどう書けばいいかとか、結構迷ったりしますね(笑)。
あとは、いろんな人に頭を下げる機会が増えたなと実感しています。「この子どうですか?」とか「この子お願いしますね」とか見えない所での関係性の維持としての役割は増えたかなと思います。

―頭を下げるですか?

頭を下げると言うと謝るみたいで語弊があるかもしれないですが「この子が今度あなたの活動に行くと思うのでよろしくお願いします。」とか「この子、今クラブで大変そうなんですけどそちらの活動ではどうですか?」とかクラブ員の心配することもクラマネの大切な役目の一つなのかなと思っています。特に越谷クラブは何でも一人で頑張ってしまう子が多いので、その頑張りを密かに見守って支えられたらなと思っています。

―クラブ員が今どういう状況なのかをよく見ているんですね!

自分自身もっと頑張らなくてはいけないなと思っている部分なのですが、ちゃんとクラブ員全員を見ていてあげるというのはとても大事なことだと思っています。

―クラマネがそんなことをしているなんて全然知らなかったです。

クラブによって求められるクラマネ像は違うし、クラマネによってやり方は違うので、様々なクラブ運営があるのだろうなと思っています。クラマネの力量が本当に問われるのは後期からだと思っているので、ここからが本番だという気持ちで後期も頑張っていきたいと思います。

―ありがとうございます!

クラブ会の様子

3.気持ちを添える演説

―では次に選挙についてお聞きします。栗田さんは越谷クラブのクラブマネージャーということで選挙を経験してきたと思うんですけど、この選挙に出たきっかけは何でしたか?

正直、最初のきっかけは人がいないからだったんです(笑)。

―そうなんですね!

はい。というのも、去年は私の学年が2人しかいなかったんです。もう1人は他のサークルに専念していたのでもう私しかいないという状態でした。でも最終的にはやっぱりそれだけで出たら後悔するだろうなというか、1年間やれる覚悟はできないだろうなと思ったので、自分なりに選挙に出てクラマネになったら何をしたいんだろうとか選挙前に向き合って考えて、ちゃんと軸を持って出たつもりでいます。

―なるほど、最終的には自分の意志で出ることを決めたんですね。

そうですね。最終的に選挙に出ようと決めたのは、色々みんなが頑張って、もがいたり苦しんだり励ましあったりを積み重ねて切磋琢磨しあったこの環境が、埼玉唯一の拠点としてあり続けてほしいという想いからでした。


―今年の選挙がオンラインと対面のどちらで開催されるのかまだ決まっていないようですが、去年栗田さんはオンライン選挙でしたよね。その時に気をつけていた事はありますか?

その時期は、忙しくてバタバタしていた上に、なかなか原稿が思い浮かばなくて、本当にギリギリでなんとか演説をしたのを覚えています。そういう中でも絶対に妥協したくないなと思っていたのはちゃんと自分の言葉として発信することです。もちろん原稿の時点で自分の言葉ではあるんですけど、それでもただ読んでいるだけだと気持ちが入らないので、自分の気持ちを演説のリアルな部分で添えるよう意識していました。オンラインだと距離感として遠いのでそこぐらいはやらないと画面越しでは伝わらないと思っていて、自分の言葉に自分の気持ちを込めて伝えるということは私の中でかなりこだわっていた部分ですね。


―なるほど。原稿は作っていてもそれをただ読むだけではなくて伝え方を工夫したんですね。具体的にどんな風に工夫していたかというのも教えていただきたいです。

私の個人的なやり方になりますが、原稿の右側に、この言葉に対してはこういうことを思い出すとかこの人思い出すとか、そういうのを色々書いていました。もちろんクラブ員全員に向けて話しているんですけど、この言葉はこの子に伝えたいとか、それをちゃんと思い出せるように書き連ねていました。

―そうなんですね!本当に気持ちを添えるという感じですね。

そうですね。そこはとても大事だと思います。

昨年の選挙の様子

4.自分に向き合う選挙

―これから選挙に出る方、そして今出るか迷っている方へ向けたメッセージをお願いします。

そうですね、色々な立場の方がいると思うんです。人によっては私みたいに自分が出なければならない状況になってしまったという人もいるでしょうし。だけど周りの環境だけを理由に立候補するかどうか決断を下すっていうのは絶対にしないでほしいなと思っています。
今クラマネや役員をやってる人たちはみんなそうだと思うのですが、おそらく選挙期間で考えたことや、公約、演説っていうのが一番の根幹であり、1年間動く上でのモチベーションになっていると思うんです。だからこそ、これから選挙を迎える子に対しては根っこをちゃんと持って欲しいと思っていて、そこは選挙に出る出ないに関わらず決めてほしいなと思います。

―なるほど。

役員に出る覚悟が決まらなかったから出ないということではなくて、出るにしても出ないにしてもプラスの感情で行動して欲しいと思います。できないからやらないというのではなく、選挙に出ないなら役員に出る子達を全力で応援する立場を全うしたいとか。そもそもIVUSAを続けるかどうかで悩んでいる人もいると思うんですけど、自分がこうしたいからこの選択をするとか、何かしらプラスの感情で物事を決めて欲しいです。そこは自分と向き合う期間だと思って考えてみて欲しいなという風に思います。20歳前後の私たちにとって、こうして自分にしっかり向き合う経験は、とても貴重な財産になると思うんですよね。

―選挙を通じてIVUSAへの関り方や自分は何をしたいのかを今一度考え直してみるのも良いですね。

そうですね。選挙に出ることが正義みたいに思ってしまうかもしれないですけどそんなことは絶対にないと思うんです。選挙に出ることが正しいとか誰かに出てほしいなって言われるとかあるかもしれないんですけど、それが正しいとか思わずに自分の中では一番これがいいんだと思う選択肢を見つけてほしいなと思います。


5.IVUSAは「挑み続ける場所」

―ありがとうございます。では最後の質問になるのですが、あなたにとってIVUSAとはなんですか?

私にとってIVUSAとは「挑み続ける場所」です。1年生の時の夏プロで思った以上に地元の方に想いが届かなかった経験をしたのですが、そこが今でも地域活性化活動にこだわって挑戦を続けている原動力なのかもしれません。また、越谷クラブの人手が足りなかったので2年生の時からスタマネ*2をしていて、今もスタマネを兼任しているんですけど、クラブ内で新しくイベントを作ってみたり、クラブ会を工夫したりしてきました。そういう面ではスタマネという仕事に対しても挑み続けてきましたね。2年生の秋冬に飯山インスタプロジェクトに関わった時も、正直その時期はクラブも忙しいし大学の勉強も忙しいしで大変でしたが、悩んだ末に結局はリーダーとして全力でやろうと決めて挑み続けてきたのかなと思います。3年生になって1・2年生の時のように勢いで挑み続けることに難しさを感じている部分はあるのですが、このインタビューを通してまた大切なものに気づけた気がします。これからも、「挑み続ける場所」としてIVUSAとうまく向き合っていきたいです。

―本日はありがとうございました!

なにか意思決定をする際に、環境のせいにするのではなく自分で決断することは本当に大切だと思います。私もプラスの感情で行動していきたいです。ちなみに栗田さんは大学で看護の勉強をされていて、この取材も実習直前の忙しい時期にさせていただきました。この記事で選挙に出る方だけでなく何かに挑もうとする方の背中を少しでも押すことができたら嬉しいです。編集後記:竹内栞

 
インタビュー:竹内栞(群馬県立女子大学3年)渡辺まひろ(フェリス女学院大学3年)
編集:竹内栞(群馬県立女子大学3年)

*1:平野裕真さんの記事はこちらivusatimes.hatenablog.com

*2:スタッフマネージャー。プロジェクトやクラブにおける幹部の一角。班長やグループなど、人材に関する統括の元締め。