第80回IVUSA TIMESは、「栃尾裸押し合い祭り協働活動」のプロジェクトマネージャーである龍谷大学京都深草クラブ2年の籠尾拓海さんです。
裸押し合い祭りへの意気込みや、来期クラブマネージャーを務める京都深草クラブについてお聞きしました!100%で臨みたいという籠尾さんのモチベーションとなるものとは?ぜひ最後までご覧ください!
―では、自己紹介をお願いします。
はい。龍谷大学京都深草クラブ2年生の籠尾拓海と言います。
今回、栃尾裸押し合い祭り協働活動(以下、裸押し合い祭り)でプロジェクトマネージャーを務めさせていただきます。よろしくお願いします。
―よろしくお願いします。では最初に、どうしてこの活動があるんですか?
この活動は栃尾ふるさとづくり活動のひとつなのですが、IVUSAが栃尾で活動させていただくきっかけとなったのは、新潟中越沖地震なんです。
そこから除雪活動などもさせていただいて、IVUSAのOBで現在長岡市議員である方とのご縁もあり、徐々に地域活性化の活動として裸押し合い祭りや長岡まつり活性化活動などがあるという形です。
地域の方々と協働で裸押し合い祭りの運営をさせていただいたり、交流することによって地域の幸福度が高まる活動を目指しています。
―とてもアツい活動というイメージですが、お祭り中は盛り上がりますよね。
伝統ある祭りに参加させていただいてるので、節度を持って活動しますが、それでもやっぱりお祭り中は盛り上がりますね。
若者のバカさというかアツさっていうのが栃尾の方々に伝わって、それが栃尾地域の幸福につながればなあと思って活動しています。
―裸押し合い祭りのプロマネになった特別な理由ってありますか。
実際、裸押し合い祭りは行こうと思っていたんだけれど、プロマネとか全然考えてなかった。
深草クラブの先輩が幹部の方でして、後から聞いた話なんですけど、話し合いの時に、「プロマネ候補、誰かいーひんのか。」ってなって。それで僕が半身裸で新歓やってたので、「こいついいやん!」ってなったみたいです。
僕も1年生のとき活動に参加していたし、プロマネの経験を自分の成長として捉えて、やってみようと思いました。
―じゃあ、新歓のとき脱いでおいてよかったですね(笑)。
それがなければたぶんこうなってなかったですもんね(笑)。
―去年度と今回では活動への気持ちに変化はありますか。
そうですね、だいぶ違います。1年生の頃は一般隊員参加で、特に目的とか目標とか意識せずに、ただ裸押し合い祭りを楽しめばいいじゃんって思ってたんです。
でも、今回プロマネになって思ったのは、この活動に価値を見出した子が自分のアルバイト代とかを使って参加しているので、自分が2年生っていうのを言い訳にしないで、隊の全員にプロジェクト代を払った価値を見出さないといけないって。そこの責任感っていうのはすごく高く持ってます。
―具体的に裸押し合い祭りの活動はどんなことをするのですか。
新潟県長岡市栃尾地域で、栃堀巣守森神社っていう神社があるんですが、上杉謙信って知ってますか?
―はい、知ってます!
おっ。裸押し合い祭りは上杉謙信の頃から続いてるお祭りで、上杉謙信が戦に行く前や五穀豊穣っていう豊作を願うときに祭りで士気を高めていたんです。1570年の頃からずっと続いていて、1年に1度、裸でふんどし巻いた男衆が栃尾の栃堀区の道路を走って栃堀巣守神社の踊り場で裸で押し合うというお祭りなんですよ。もう、すごく寒くて、去年だったら気温マイナス1度。
裸で押し合うだけじゃあなくて、福札っていうのがありまして、270枚かな?お札が上から下ろされるんですよ。「サンヨ!サンヨ!」って掛け声しながら男たちが札を取り合うんです。それで、その福札の番号が景品交換の番号になってまして、裸押し合いに参加した男たちは日本酒とかお金貰えるんですよ。それをかけて頑張って参加してる男たちもいます!(笑)。
―それは本気になりますよね…(笑)。サンヨ節、新潟出身なので地元のニュースで見たことがあります。あと、冷たい水に入りますよね?
あっ、そうですね。神社の階段を上っていく途中に、「ハンド石」っていう、大きな石をくり抜いてそこに水を入れてお風呂みたいになっているところがあるんです。そこで体を清めて、また階段を上ってそこでまた押し合い。
お祭りは1時間半あって、裸押し合い中は日本酒も入って身体中火照ってるので、それを冷ますためにハンド石があります…。めっちゃ寒いですよ、本当に!去年入ったんですけど、死にそうでした。それもすごく面白かったです。魅力の一つですよね。
―裸押し合い中、女の子の隊員は何をしていますか?
露店のお手伝いをさせていただこうと考えています。甘酒の配布のお手伝いとか、福引交換のお手伝いなど。
栃尾地域の方々と調整中なのですが、子どもスペースみたいなのを作る予定です。子どもは裸押し合いに参加できないので、子どもでも来やすいようなものを作れたらなと考えています。女の子の隊員にはそこでお手伝いとか地域の方と話してもらいたいなと思っています。
―今の活動からもっともっと広がりそうですね。
そうですね。この隊では、世代間の交流を目指しているんです。その交流っていうのが続いていけば、地域の幸福度の高まりにつながると思う。
お年寄りから小学生まで色んな年代の人同士が交流できるのってうれしいですよね。それが栃尾の人の心を温めると思っているので、今回だけじゃなくて次の隊でも引き継ぎたいなあ。
―話題を変えて、こんどは籠尾さんの話を聞いていきたいです。まず、IVUSAに入ったきっかけは。
きっかけは単純に、ボランティアしたいと思って。高校の頃から地域ぐるみの清掃活動とかをやっていまして、大学でもボランティアがしたかったんです。
新歓でIVUSAという団体に興味をもったので説明会に行ってみて、地域活性化の活動をしたくてIVUSAに入ったんです。まあ、勧誘がなかったら入ってなかったですけど(笑)。
―そうですよね、私も新歓でIVUSAを知りました。地域活性化の活動にもともと興味があったということで、思い入れのある活動はありますか?
東日本大震災復興支援活動(以下、東日本)ですね。もちろん、裸押し合い祭りもですが。東日本は1年生の夏から行かせてもらってる活動でして、年間通して行きたいなと思っています。
実際に津波の被害にあった現場に行って、震災に遭われた方と話すことで、被災地での震災を忘れたくないなと思っています。災害はいつ起こるかわからないですよね。
東日本の活動に行って、気持ちをリセットさせて、これからの防災意識を高めていけたらなと思っています。
―IVUSAで得た経験は大きいですよね。これからの目標はありますか?
僕、来期クラブマネージャーなんです。プロマネも並行していて。だから、常に全力である人間になりたい。どっちも妥協したくないんです。
僕はこれまで何に対しても本気になれない性格で、中学はサッカー3年間だけで高校は帰宅部。一つのことを続けられなくて、みんなから80%の人間やなとか言われるんですよ。
―うーん、どうしたら全力になれるんでしょうか。
切り替えが大事だと思っています。やっぱり休む時は休むし、やるときはやる。それで、クラブにも活動にも100%で臨みたい。
その日一日はプロジェクトマネージャーのことをするとか、その日一日はクラブマネージャーのことをするとか、タイムマネジメントをしていきたいなと。今年一年は特にそういうことをしていかないと、下が動けないというのもあるので、そこは大切に一年間やっていきたいと思ってます。
―メリハリですよね。趣味はありますか。
趣味はサッカーかな。近々イギリスへ旅行する予定でして、プレミアリーグの観戦にいってきます。
―聞いていいのかな、英語はお上手ですか?
英語は、全くできません!(笑)
高校の友達が留学してたので、その子の英語力を借りながら(笑)
―楽しんできてください!(笑)
籠尾さんが来期クラブマネージャーを務める、京都深草クラブについてお聞きしたいです。
深草クラブは、来期は200人以上でやっていくので、やっぱりもう一度構築というか、まずは仲の良さを求めたいですね。それからまたクラブ員一人ひとりがやりたいことを見つけ出す場を提供出来たらなあと思ってます。
特に同期との信頼、協調性というか。お互いの良いところも悪いところも認め合いながらどんどん強くしていきたいです。
―籠尾さんは人との関係性を大事にしているなって思うんですけど、人と話すのも好きですか?
高校の頃なんかは相手がどう思うかとかを気にして人と話すことが好きじゃなかったんです。この団体に入って、自分の思っていることを信じて言いたいことが言えるようになったかな。
今は人と話すのは好きだし、IVUSAという団体は将来的に必要な能力っていうものが知らない間に身につくと感じています。
―では最後に、籠尾さんにとってIVISAとは。
はい。「全員が主役になれる場所」です。今回の裸押し合い祭りは50人の隊で行かせてもらうんですけど、一般隊員のレベルからPT(プロジェクト・チームの略)のレベルまで、各個人でやることは違うんですよね。
この分野のスペシャリストはこの隊では私なんやとか僕なんやとか、それが「全員が主役になれる」っていう意味なんです。
―隊員全員が活動の主役なんですね。
プロジェクトだけじゃなくて、クラブの中でもいいですし、その中で自分の長所を生かせるところがIVUSAだと思っています。
で、僕が求める完璧は、「完璧っていうのは何かを加えることじゃなくて、何も削るものがないときが完璧」っていう。
50人の隊員それぞれが主役になれる分野を仕切る。50人やから出せる完璧、50人やから出せる地域の関わり方、地域の貢献が生まれるんだと思います。やっぱり隊って一つしかないじゃないですか。クラブもみんなでやれるクラブっていうのは一年に一回だし、メンバーは変わるので。
だから、「全員が主役」っていう意識で完璧を目指すことでより良いもの、自分たちしか出せないものが生まれてくると思います。
―人との関わりを大切にしている籠尾さんの人柄だからこその視点ですね。これからも応援しています。ありがとうございました。
ありがとうございました。
インタビュー・編集:江花日和(神奈川大学2年)
カメラ:清野姫史(神奈川大学3年)
~編集後記~
取材直前は関東での裸押し合い祭りの勉強会があり、籠尾さんとお仲間が和気あいあいと話し掛けてくださいました!
はじめは裸押し合いのイメージに合う男らしい、サンシャイン池崎みたいな方かなと思いきや(ごめんなさい)、優しい雰囲気の方で、インタビュー中は言葉の選び方、伝え方、考え方など、裸押し合いのプロマネや来期のクラマネと多忙な毎日を過ごしている籠尾さんだからこそ、IVUSAでしか得られないものをたくさん得ているのだと感じました。
人とのつながりを大切にする籠尾さんは、きっと周りの人々に信頼される方だと、私自身またお会いしてお話したいと思う素敵な方でした。
これからも応援しています!
最後まで読んでいただきありがとうございました。(江花)