IVUSA TIMES

日本最大級のボランティア学生団体IVUSAの素顔が読めるWEBマガジン

第140回 「様々な可能性がある場所」 奥山泰成さん

第140回のIVUSA TIMESは東京日野クラブ4年生の奥山泰成さんです!
IVUSAにかける思いや学生代表として1年間どのように活動してきたかなどなど、、奥山さんの魅力が詰まった記事になっています。
ぜひ最後まで読んでください!


今回のメニューは、

の5本です。お楽しみに!



―初めに、自己紹介をお願いします。

東京日野クラブ4年の奥山泰成です。


―東京駒沢クラブ3年の縣紗也佳です。今日はよろしくお願いします!

お願いします!

1.IVUSAに入ったきっかけ

―まず、IVUSAに入った理由についてお伺いしたいです。

そもそも高校の時はサークルに入ることをあまり考えていなかったんです。高校時代はテニス部で、町のテニスコートを借りて活動していたんですけど、隣で使っていた大学のサークルがとにかく態度が悪くて。絶対にサークルには入らないっていう同盟をみんなで組むぐらい入る気はなかったです(笑)。


―そんな同盟を組んでいたとは…(笑)。

でも、IVUSAからTwitterのDMでお誘いをいただいて、他のサークルの説明会にはあまり行かなかったんですけど、思い立ってIVUSAの説明会には行ってみたら、温かく迎え入れてくれるような感じがして、サークルへの考え方を改めたというか(笑)。今まで出会った団体とは違う居心地の良さを感じました。


―そこからIVUSAへの入会に至ったのですね。

入会の決め手は他にもいろいろあって、当時はコロナ禍という状況下だったけど試行錯誤をして活動していたり、5分野のボランティアをしているので色んな経験ができそうだなと思ったり、日本各地で活動しているのでいろんな人脈ができて価値観も広がるなと思ったり、関西のメンバーとも活動できるよって聞いたときに、関西出身の自分にとっては故郷に戻って関西メンバーと話せるチャンスだなと思ったり。いろんなことに魅力を感じてIVUSAに入りました!


―もともとボランティアに興味があったわけではないんですか?

そうですね。小学校の時にボーイスカウトをやっていて、そこで清掃とか募金活動とかはやっていたんですけど、中高生になってちゃんとやらなくなっちゃって(笑)。ただ、IVUSAに「子どもの教育支援」という分野があるんですけど、自分はずっと教員になりたいという夢があったので、興味があるかないかというより、その活動を通して現場経験を積めるかもという期待はありました。

2.学生代表としての1年

―今や学生代表として活躍されていますが、学生代表に立候補した理由をお伺いしたいです。

何かを変えたいというよりも、“可能性があるIVUSA”というところの伝統を継いで、次の代になにかを伝えたいという思いが一番大きかったです。もともと自分は代表に出馬する気はさらさらなくて、クラブマネージャーのサポートとかプロジェクトのリーダーとかをしたいなって思いがずっと強かったです。でも、9月の役員合宿とか、10月の選挙が近づいてくる時期にあたって、自分が今楽しく活動できているのは普段からIVUSAの運営を考えてくれる人がいるからこそだということに気づいてから意識し始めて、そこで「自分には正直向いてないな」って思ったんですよ。でも、自分がそれを打ち破ることができれば、みんなも何か変わるはずだって思って踏み出したのがきっかけです。


―葛藤がありつつも、相当な覚悟と責任をもって踏み出したんですね。

正直な話をすると、「これからのことどうする?」って話になったとき、「○○が忙しいんだよね」とか、「自分はやらない」とか、そういうネガティブなワードが多かったんです。個人の理由だからしょうがないと思うんですけど、とはいえIVUSA31期を作っていく上でこれではやばいと思って、必死に仲間を見つけていく中にその思いが高まっていきました。


―選挙の締め切り日があると思うんですけど、いつぐらいに決心したんですか?直前なのか、前々から心に決めていたのか。

考え出したのは2、3週間くらい前かな。でも、そのときは「他の人が出馬するついでに自分も幹部として出馬するか」くらいの気持ちだったので、実際に俺しかいないってことに気づいたときには締め切り前日でした。そこで押すか押さないかで今後が変わるんだっていう、あのときの葛藤は今でも記憶に残ってます。


―そこで一歩踏み出して、怒涛の1年が始まったと…。まだ任期は終わってないと思うんですけど、どんな1年間でしたか?

想像以上にうまくいかなかくて悔しい1年でした。そして、自分はまだまだ未熟だということを痛感した年でした。新歓、夏プロジェクト、選挙、役員合宿など色々なイベントに取り組んだんですけど、どれにおいても自分がイメージした理想には到達できないような壁が大きくありました。動員や人の巻き込み、内容面など、自分たちが想像していたことがあっても、2500人という規模があり何億単位というお金が動くからこそ想定が難しいし、そんな大きな団体を統率する経験は今までなかったから、自分の考えはまだまだだな、甘かったなってところを痛感させられた1年でした。


―特にこの1年で注力したことはありますか?

戦略を考えることに一番注力したかなと思っています。例えば、災害救援。去年は福岡県の久留米や、秋田県の五城目で水害が発生した時、マックスで40人くらいしか動員ができなかったっていう状況があって、動員は常に課題でした。自分が1次隊として現地に行った時に、「もっと動員できればこのニーズを解決できたのに、早く終わっていたのに」っていうような思いが込み上げてきて、動員に悩まされました。でも、ひとつひとつのニーズを完成していく中で「ありがとう」って言ってくれて、この活動が社会課題の解決に繋がっていることや、地域の人の笑顔に繋がっていることの実感はありました。


―動員は地域の貢献に大きく影響しますね。

ただ、動員したいと思ってもなかなか上手くいかない現状はあったから、去年の秋田の3次隊は、“前回の派遣隊からあえて2週間空ける”という戦略を立てました。空けることで参加者が集中すると思ったので。で、バス2台っていう規模感を目標にしました。結果、目標には20人くらい届かなかったんですけど、関西と関東合わせて100人くらい集まりました。そこで満足するわけではないですが、少しは災害救援に対する意識は上げられたと思います。


―意識から変えていくのは大事ですね。

絶対いつか誰かが被災するっていう現状がある中、いざ自分や身の回りの人が被災してしまった時に、何も出来ない人になってほしくないなって思っています。報告会や初夏トレーニングをしていると、「新入生にはこんな思いになってほしいな」とか、選挙においても、ただの選挙で終わらすことなく、「会員のみんなや立候補者のみんなにこうなってほしい」とか、そういうのをとにかく考え続けた1年だったなって思います!

―実際今だと能登半島の災害救援について考えてらっしゃると思うんですけど、1週間の中でどれくらいIVUSAのことを考えているんですか?

頭から離れない時は無いかなと。もちろんプライベートの時間はありますし、大学のゼミとか卒論を書いたりとか、教育実習やっているときはあんまり考えてはないです。でも、合間の時間とか、自分の時間になった瞬間は絶対「そういえばIVUSAのこれ、どうなってたっけ」とかはあります。例えば、明日は本部役員会があるんですけど、今からその原稿を考えるぞーって思って考えている訳じゃなくて、帰り道とかで急に「そういえばこういうこと言いたいな」っていうのがパって浮かんで、家帰ったらメモしよ〜みたいな感じです。なんだかんだ常に頭にはありますけど、ちゃんと向き合ってる時間を具体的に表すなら、7割から8割くらいかな。


―IVUSAを考える時間は、ここ1年で劇的に増えた感じですか?

学生代表になる前はクラブマネージャーやってたので、その時点でもIVUSAを考えている時間は多かったんですよね。ずっと日野クラブの人を考えてたな(笑)。


―規模がすごく大きくなりましたね。

そうですね。その分考えることも多いし、難易度も難しくなるので。IVUSAに費やす時間は増えたなって思います。


―学生生活をIVUSAと共に歩んできたといっても過言ではないですね。

そうですね(笑)。


―そこまでIVUSAに本気になれる理由とか、IVUSAに懸けられる何か原動力ってあるんですか?

相手のために全力で取り組むことで「ありがとう」って言ってくれることがすごく嬉しいし、誰かのためになってるんだってことは自分の原動力になってますね。だから、クラブマネージャーとか学生代表とかやってる時も、ターゲットに向けて何かを届けられているときは、「やってよかったな」って思えるし、それが届かなかった時は、何でそうなったんだろうなって思うし、そうやって誰かのために考えて動くことが好きなので。それが続けられている原因かなと思います。

―まさしくボランティア精神ですね。読者の皆さんに届けたいお言葉です。

3.原点になった活動

―これまで多分たくさんの活動に参加されてきたと思うのですが、一番印象に残っている活動ってありますか?

んー、難しいな(笑)。前も同じ質問されたとき、全部やなって思って(笑)。でも一番印象に残ってるのは、利島活性化活動です。さっき、3年生の夏のときにプロジェクトリーダーをやったという話をしたと思うんですけど、それは利島のスタッフマネージャーだったんですね。実はプロジェクトと呼ばれるものに参加したのは、3年生の夏が初めてだったんです。


―そうだったんですか!

意外でしょ(笑)。コロナの時期に派遣隊として東日本大震災復興支援活動に1泊2日で行ったりはしてましたけど、4泊5日とかがっつり行くのは初めてでした。だから正直言うと、利島の夏プロジェクトは、リーダーではなくその補佐側として参加しようかなと思っていたんですね。班長や広報とか、そういう役職をやってみたいと思ってました。でも、同じクラブの先輩に「利島の幹部が足りない」って誘われて、最初は「幹部か、どうしよう」ってなりました(笑)。


―いきなりだったんですね(笑)。

そうそう。リーダーには憧れていたのでいつかはやりたいとは思ってたんですけど、今ではないなって躊躇っていたんです。でもたくさん考えていく中で、3,4年ぶりの活動という状況はみんなも自分も同じだと気付いて、全員が初めてだからこそ大丈夫だと思ったんです。なので、今こそ挑むチャンスだなと思って挑戦しました。


―今だ!って思ったんですね。

だけど右も左も分からなかったので、「年間チームを作る」という目標を定めました。利島って地理的に遠くて支えづらい地域だと思うんですけど、それでも帰って来たくなる場所だなと感じていたからこそ、年間チームを作って、年間通じて関わる人を育成して、その人が利島を継いでいく。それが最大の役目だなと思ったんです。自分も利島との関わり方を一緒に考えたいし、みんなの成長につなげたい一心で向き合いました。


―どのようにしてみんなの成長と向き合ったんですか?

自分はガツガツ指示するタイプじゃなくて、「今いいところまで行っているね、次はここからやってみるのはどう?」という感じで、相手の考えていることを引き出して、次のアプローチ方法を考えさせるタイプで。放任するわけではないんですけど、ある程度自分の考えを整理させてやってみなって感じで、各々で考えてもらうことを大事にしていました。


―それぞれが考える利島への思いを大切にしたんですね。

その結果、幹部および自分が管轄する班長や勉強会チーム、一般隊員も含めて、全員が利島に全力で向き合って考える隊になったのかなと思う。カウンターパートさんが、自分たちが初めてだからと言って「初めてだからしょうがない」って言うわけじゃなく、妥協することなく自分たちに意見をぶつけてくださったんですね。そこから利島とのつながりが新たに始まりました。利島の方々もIVUSAに対して信頼をしてくれているんだなと気づかされて、そこで改めてIVUSAのすごさを実感しました。


―全員が熱を帯びていて、全力だったことが伝わります。

目の前のことに一生懸命考える隊員の姿って、当たり前じゃないなって思ったんです。学校の授業とかを受けていても、正直そこまで熱心に取り組んでいる人はあんまりいないなって。IVUSAの利島活性化活動に行きたいっていう想いで集まったあの30人の熱量は凄かった。そう思うといろんなものが込み上がってきて、最終日は温かい利島の方との別れに泣いたり、しんどいことはあったけど達成感を得られたり、そういう瞬間は忘れられないし、これこそがIVUSAの活動なんだなって分かった。そこが今の原点になっていると思う。


―学生代表としての根幹が利島の活動に詰まっているんですね。

その後に自分が学生代表として出馬した選挙があったんです。そこで後輩から「利島をきっかけに挑戦したいと思うようになりました」って言って役員に立候補してくれる子が続出するほど、挑戦し続けてくれる仲間がいるっていうのも大きかったし、「今年も日本一熱い活動にするんだ」って言ってくれる熱いリーダーが出現して、そこにまた人が集まっていくといういい循環が生まれてきている。利島の掲示板でも100件以上の投稿がされてて今でも動いているみたいな。


ーすごい、今でも活動の絆が続いているんですね。

「年間チームを立てる」という目標を達成できたのもそうですし、ずっと利島に関わり続けたいって子がいっぱいいるのを知っているからこそ、1番印象に残っているし熱く語れる活動だなっていうのは思いますね。


ー年間チームを作ったのが奥山さんの代だったとは知らなかったです!どうして利島に行こうと思ったんですか?

当時は幹部が足りなかったからというのもあったんですけど、もう1つは、自分が1年生の夏にたまたま利島の人と関わるZoomにいて、そこで椿が有名なこととか、高齢者率が高いから農家さんの跡継ぎがいなくてIVUSAの若さが必要とされている現状を知ったのもそうですし、利島には温かくて素敵な方々がすごい多い印象的だったので、いつか行きたいと思っていました。

ーその思いを実現させて年間チームを作り、利島とIVUSAの歴史を作りあげたんですね。

4.後輩へのメッセージ

ー今の奥山さんが後輩に伝えたいことはなんですか。

自分からチャンスを掴んで欲しいなって思います。IVUSA全体で2600人いるんですけど、この規模はほとんど大企業みたいなものだし、その分チャンスもすごく多いんです。実際に企業に営業をかけるファンドっていう部署があったり、隔月で行われるクラブレポートといったような情報分析ができたり、クラブマネージャーとか学生代表とか幹部といったマネジメントの機会もあるし、社会問題に向き合える活動もあるし、色々な経験ができるチャンスがあるんですよね。でも、そういうチャンスを知っている人って全員じゃないって思うんです。自分たちも色んな機会があることを伝えていく役目があるけど、ぜひ自分からも熱中できるものを探して欲しい。それはIVUSAに限らずでいいと思う。ただ、IVUSAはボランティアに限らずいろんなことに挑戦できるから、今の自分には出来ないなと思うことでも全然いいので、ぜひ未来を見据えて挑戦してほしいなと思います。


―未来を見据えて、ですね。

バイトが忙しいとか、就活が忙しいとか、どうしても自分たちって目の前のことしか向き合えないというか。それで挑戦しないことを選んで、一時的な忙しさを超えたとして、その先にはどんな未来が待っているのか。そこを考えて欲しいです。乗り越えた先に得られる力や大きなスキルがあるなら、そこに没頭したらいいと思う。けど、それがない場合や、なりたい姿があるのにその過程における何かが見つかっていないなら、ぜひIVUSAの先輩に「こんな力を身に着けたいんですけどどうしたらいいですか?」って相談してほしい。自分の未来に対して貪欲な姿勢を見せることって大切だと思うし、自分にできないことに挑戦するわけだから失敗して当然だし、学生代表とか幹部とかクラブマネージャーとかって完璧な人に思われがちだけど、そういう人って絶対に壁にぶち当たったり大きな失敗を経験していたりするから、それはあなただけじゃないよってことは伝えたい。だから、自分からチャンスを掴み取って欲しいなってところは今後みんなに伝えていきたいです。


ー色々な壁を乗り越えてきたからこそのお言葉だと思います。私もIVUSA生活があと1年残っているので、勢力あげて頑張りたいと思いました。

5.あなたにとってIVUSAとは

ーそれでは最後に、あなたにとってIVUSAとは?

「様々な可能性がある場所」です。IVUSAは、自分が変わるチャンスも、社会が変わるチャンスも、地域が変わるチャンスもある。そういう様々な可能性が秘められている場所だと思うので、ただバイトして終わるとか、ただ何となく生きているんだったら、1回そこで踏みとどまって、IVUSAに向き合って、なにか可能性を見つけて欲しい。それがもし自分に合っていなければ、合ってなかったっていう自分の経験になるわけで、必ず無駄にはならない。なにか熱中できることを見つけて、そこに打ち込むことで自分の可能性は広がっていくと思うので、様々な可能性がある場所だと認識してほしいです。

ーありがとうございます!本日のインタビューはこれで終わりになります。お忙しい中ありがとうございました!

ありがとうございました!



編集後記:縣紗也佳

奥山さんのお話を通して挑戦してみることの大切さを改めて考えさせられました。IVUSAの中にある可能性は無限大です。この記事が誰かの1歩踏み出す勇気になったら嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

取材:縣紗也佳(駒澤大学3年)
編集:縣紗也佳・福光さくら(群馬県立女子大学4年)