IVUSA TIMES

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第112回「大きくなる場所」升谷維吹さん

第112回IVUSATIMESは27期学生代表を務められた東大阪クラブ4年の升谷維吹さんです。1年間学生代表を務めて感じたこととは?知られざる学代選挙期間の苦労や心境の変化、さらにネパール山村活動のお話も伺いました!(取材日:3月22日)

今回のメニューは、
1.将来の夢とIVUSA
2.人の幸せとは?
3.学生代表を務めて…
4.IVUSAは「大きくなる場所」

の4本です。お楽しみに!

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1.将来の夢とIVUSA

-では早速、この1年学生代表を務められた升谷さんにインタビューしようと思います。最初に自己紹介をお願いします。

はい。東大阪クラブ4年の升谷維吹です。よろしくお願いします。


―よろしくお願いします。まずIVUSAに入った理由は何ですか?

僕は浪人しているんだけど、浪人する前に父親から、大学行くのは良いけど目的がないのに大学に行ってもしょうがないから、何もないなら就職しろと言われてて。そこで改めて自分のやりたことを考えた時、起業がしたいと思って近畿大学の経済学部に入った。当時大学生の間に色々な所に行きたいと思っていたんだけど、ただ行くだけよりも学びを兼ねて行くほうが有意義だと思って、このIVUSAに入りたいと思ったんだよね。


―へぇ。もともとボランティアに興味があってという訳ではなかったんですね。

最初はそういう訳ではなかったな。


―様々な経験をし、人と出会いたいということですか。

そう、入ったきっかけは当時、関東・関西に3500人の会員がいることに惹かれて。あとは現地に行って、色々な人と話せるのも魅力的だったかな。


―高校の時点でどこ行きたいっていうのは考えていたんですか?

どこに行きたいかは考えていなかったな。元々起業したいとは考えていたけれど、何の会社を起業したいかも具体的に決まってなくて。それなら色々な物や問題やニーズを見た方がいいと思った時に、いろんな場所行きたいと思ったから特に場所にこだわりはなかった。


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―升谷さんは1年生の春から*1PTを2つも経験されたとお聞きしたのですが、なぜ興味を持ったのですか ?

1年生の夏プロで色々な先輩と話す機会があって、そこでプロジェクトを作る役職があることを知ったのがきっかけかな。IVUSAは何泊か宿泊してボランティアをしているけれど、ボランティアに必要な*2ロジや事前準備もほとんどは学生だよね。このようなことを経験するのって会社と似てるよなと思って。企業で人を雇うってなったらさ、人の上に立つ社長になるわけで、そんな時にどういう仕事をしなきゃいけないのか、1つの企画を立ち上げるためにはどういった手が必要なのかというのを学ぶためにPTをやってみようと思ったのが春プロだった。だから2年の秋ぐらいからの役職はほとんど*3MTだったと思う(笑)。


―幹部ばかりでしたね。

その頃は起業したいと言うか、今思えば社長として会社を大きくしたいっていうのが夢だったのかな。そういうマネジメントに関わりたくて、ずっと幹部をやってたな。


―その時から将来を考えてボランティア活動の作り手として色々やっていたんですね。

そうだね。


―先ほど先輩とも色んなお話をしたということなんですけれども、その中で自分の考えが変わったり影響を受けたところはありますか?

自分の考えに小さな変化はたくさんあったけど大きな変化はなかったかも。良くも悪くも自分の考えに固執する傾向が自分にはあるから、先輩たちから話を聞くのはあくまでも自分の考えに対して確証を得るためとか肉付けするために話してたかなっていう印象はある。ほんとにお世話になった先輩ばかりで学んだことも多くあるけど、自分の考えが分からなくなって聞いてみるとかそういうことはあまりなかったかな。


―考えが分からなくなった時って自分で分かるまで考え続けてましたか?

基本はそうだった。ぶらぶらしてみたり、人と話す中で、全く関係ない所からでもアイデアが浮かんだり。割と自分でどうにかしようって思ってたのがあるかな。だから先輩とかもそういう感じで話を聞いてたな。


2.幸せとは?

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―なるほど!では次の質問に行かせていただきます。これまでの活動の中で最も印象に残っている活動は何ですか?

1年生の春に行ったネパール山村支援活動。なぜかというと、カルチャーショックを受けて。海外は初めてじゃなかったんだけどネパールに行くのはもちろん初めてで、山村支援活動だから、電気、水道、ガスとかインフラが整ってないのよ。そんな村で1週間、寝食を共にして活動してたんだけど、僕はその暮らしに適応できなかった。


-どんな暮らしだったんですか?

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水は汲みに行かなきゃないんだけど、片道15分くらいの崖を降りて行って、水汲み場で10キロの水瓶に水を入れて、また15分崖を上るっていう苦行を毎日2回もやらなきゃいけないの。ご飯も焚火で作って、そんな生活の中で幸せって何だろうなって思ったときに、すごい感銘を受けた。本当に今の日本人を見てて考えられないくらいネパールの村の人たちが幸せそうに生きてたんだよね。本当に感覚なんだけど、すごく笑顔でみんな幸せそうだった。向こうの子供たちには順位というか並ぶっていう文化がなかったから、喧嘩も絶えなかったんだけどその中でも皆幸せそうで。

-そうなんですね!


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あと他に地域活性化のとちお祭りにも思い入れがあるかな。栃尾の活動って地域の幸福度の向上が大きな目的なんだよね。そこで人や地域の幸せって何だろうって考えた時に、ネパールのことがすごい印象的だった。やっぱりそこに住む人とか生まれ育った地域みたいなのが、その人を作ってくんだろうなと思った時に、地域ごとに幸せは違うんだろうなあって。それまでは、地域活性化ってもっとお金を動かすべきだとか、それがないと始まらんくらいのことしか考えられてなかったのが、ネパールの活動に行ったことで、人の幸せとか、そういうのを考えるようになったな。


-そうなんですね。ネパールの時は*4スタで?

その時は勉強会。PTの中で勉強会はよくやったね。


-スタを沢山されてましたけど、勉強会が多かったですか?

うーん…どこで何やったかあんまり覚えてないんだけど、スタをやったのは大概勉強会で他は企画かな。なんか勉強会好きで。


-どういった点が?

勉強会に参加する側でも学ぶことはたくさんあるんだろうけど、プレゼンするとなるとその10倍くらい学ばなきゃいけなくて、それが好きだったんだよね。行く意味を自分の中で持てるというか、調べた内容や考えた内容で活動中に地域にアプローチできることないかなぁって考えるのが好き。だから勉強会が多かったかな。


―全体的に意味を持って動くのが多いですね。

そうだね、無意味な行動ももちろん大事だと思うけど。暇っていうのがあんまり好きじゃないかなぁ。ただ単に何にもすることがないっていう時間が嫌い(笑)。まじで、時間足りないしなぁ。


―時間が足りないって感じますか?

うん、2倍ぐらいほしいな。やりたいことはまだたくさんある。


―それは大学生活の中でということですか?

そうだね、自分はそんなに器用なタイプじゃないから、IVUSAで4年間頑張ってきた分、捨ててきたものってあったと思う。夏プロ1本行かなかったら友達と旅行に行けたかもしれないとか。バイトとかも、もっと時間があったら両方できたのに…みたいな、両立っていうのを器用にできなかったからさ。


3.学生代表を務めて…

―両立難しいですよね。今日のメインテーマで、学生代表をされていたと思うんですけど、立候補するきっかけは何でしたか?

本部役員会で、*5下村代表とお話しさせていただく機会があって、会議終わりの飲み会の場で、代表が、「いろんな事業を展開する中で地域とIVUSAがwinwinの関係でい続けることが大切だよね」っていう話をしていて、僕はそれに賛同したし、すごい面白いなぁって思ったんだよね。代表の思っている事業や考えを形作っていく学生組織のトップとして、それを引っ張っていけるっていうのは面白いかもしれないなぁって思った。あとは、3年生の中盤からIVUSAで色々やりつくした感あるなぁっていう状態で、代表の話を聞いたときに、次学生代表しかないと思った。だから、周りからはよく変わってるって言われる(笑)。


-こうしたいんだ!っいうのではなく?

僕が思うIVUSAの1番好きな所は、ボランティアに行くことで、地域に貢献できて、なおかつ自分の中に新しい経験や考えが生まれたりするっていうところで。それってすごく学生と地域がwinwinの関係だし、そういう関係を築ける場がIVUSAだと思ってる。
まぁ、僕はIVUSAでいろんな経験をさせてもらった身として、やっぱIVUSAに入った人には、ボランティアをするのもそうだけど、いい関係を築く経験をしてほしいと思って!代表になったらそういう風な学生を増やしたいなと思ったんだよね。

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-winwinの関係は奥が深いですね!立候補する時に不安はありましたか?

うーん。あんまりなかった。出るなら頑張ろうよって背中を押してくれる同期がいたからね。でも自分が弱気になる時はあった。学代選挙は選挙期間が1か月あるんだけど、やっぱりやっていくうちに疲れるのよ(笑)。票読みっていう、選挙前に得票数の予測をするんだけど、会員3500人分もするとすごく疲れるんだよね。人のことにそんな時間割くって何なんだろうなってなった時に、応援してくれていた同期が手伝ってくれて…同期の存在は僕にとって大きな力になったから、不安になったりするのはやめようって思ったかな。


-立候補する前と学生代表を終えてから、心境の変化はありましたか?

1番は周りへの感謝かな。僕は周りから冷たい人間だとよく言われていて、1、2年生の時は自分のやりたいことのためだけにIVUSAを使ってたから交友関係とかもいるのかいらないで悩んでたんだよね(笑)。

-そうだったんですね。


でも今年1年間、学生代表としてやってきて1人では何もできないことに気づいた。僕は考えるのは好きだけど行動に移すことが苦手だったから抜群に行動できる人、人前に立って、行こうぜって言ってくれるような人が同期にいてくれたのも救いだったし、改めて人は1人じゃ何もできんなあって思った。周りに感謝し続けないと人を巻き込んで何かをやって行くっていうのは成立しないなと実感したのは、今年学生代表をやってみての感想かな。


4.IVUSAは「大きくなる場所」

-ありがとうございます。最後に…

出た、全然考えてないIVUSAとはってやつでしょう(笑)。

-はい、あなたにとってIVUSAとはをお願いします。

難しいなあ。僕にとっては「大きくなる場所」かな。IVUSAの経験は自分の知見を広げるものだと思っていて、思い返すと全部成長するために必要な経験だったと感じているから大きくなる場所!あとシンプルに太ったからそれとも少しかけた(笑)。


-なるほど!お忙しい中ご協力いただきありがとうございました!


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編集後記:竹内栞


自分にも相手にもプラスになるwinwinの関係を築くというのはこれから私も活動をする時意識していこうと思いました!今回東大阪クラブの升谷さんに取材するということで、東大阪クラブ3年の山田春輝さんに取材、写真撮影をしていただきました。本当にありがとうございました!

編集:竹内栞(群馬県立女子大学2年)
インタビュー、カメラ:山田春輝~special thanks~


*1: プロジェクトチームの略称でMTの管理下で役職を持っている。
*2: ロジスティクスの略称で装備、調理、ドライバー、当日作戦の4つの役職がある。
*3: マネジメントチームの略称でプロジェクト幹部を意味する。
*4:スタッフの略称で参加者のマネジメント業務をする。
*5:NPO法人国際ボランティア学生協会代表理事