IVUSA TIMES

日本最大級のボランティア学生団体IVUSAの素顔が読めるWEBマガジン

第124回「挑戦の場」島田晴さん

第124回となるIVUSATIMESは、大阪吹田クラブ関西大学3年の島田晴さんです。皆さんも今年の報告会のプロジェクトマネージャーとして活躍していた晴さんが記憶に新しいのではないでしょうか。今回は、その報告会の裏話を伺いました!また、晴さんはIVUSAで様々なことに挑戦されているようです!是非、最後までご覧ください!

今回のメニューは、

の4本です。お楽しみに!


ー自己紹介をお願いします。(伊藤)

大阪吹田クラブ三年の島田晴です。
好きな食べ物はプリンです。

―いいね。かたいプリンとやわらかいプリンのどちらが好み?

トロトロ派!

―そっか、お店のプリンはかたいものが多いよね。

そう。だから自分のいい具合のトロトロさのプリンを作るの。プリン作るの得意だね。

―晴ちゃんのプリンレシピ欲しいな。
ありがとう。それでは、今日はお願いします。

お願いします。


1.2021年活動報告会

―晴ちゃんと言えば、報告会のプロマネとして活躍していたっていうのが印象にある!
お疲れ様でした。去年よりもさらにパワーアップしていて面白かったです。
今年の報告会は、どんな思いで創り上げていったのかな。

今回の報告会のコンセプトが “大学生にしかできないことをやってみない”だったのね。新歓の時期が一か月早まったこともあって、報告会が新歓の大きな一つのイベントになって今回のターゲットが新規生になったの。だから、大学生になって人それぞれ過ごし方は異なるけど、大学生でしかできない充実したことをIVUSAだったらできるから、選択肢の一つにIVUSAを入れてほしいという思いをもって活動していました。また、報告会を見た人にとって次につながる第一歩、起爆剤になったらいいなと思いながら創り上げていきました。


―そうだったんだね。
様々な活動が紹介されている中で、きっと新規生も自分のやりたいものを見つけられた人が沢山いるだろうしきっかけを与えられていると思います。新規生からの反響はあった?

 
新規生ではないんだけど、自分の後輩から「この活動に行ってみたいです」と連絡してきてくれたね。あと野田ももかちゃんが報告してくれた熊野*1の発表が、IVUSAを辞めたいと思っていたけど、活動を通してやっぱり頑張りたいと思ったという発表だったんだよね。それを見た後輩が「自分も辞めないで頑張ろう」と思えたという声を聞いて嬉しかったね。


―それは感動だね。見てくれた人がそれぞれの報告者の思いに共感できて頑張ろうと思えるような時間になったのは嬉しいね。

うん。報告会後に行ったアンケートでは見てくれた人の三分の一くらいの人が回答してくれたのね。その中で沢山の人たちから自由記述欄に自分も活動に行きたいと思ったという声や、頑張ろうと思ったという声がたくさん来てすごい嬉しかったです。


―報告会を創り上げていく中での思いがちゃんと伝わっているね。大成功だね。

よかった~。


―学生であれだけの規模のものを創れるっていうのは、なかなかできないよね。

そうだね。でも、とても不安だったんだよね。
報告会を創る最初の段階もそうだけど、当日も配信が止まったりしないかなと終わる直前までずっと不安だったね。
LINEの通知音も鳴っちゃったりしてたし(笑)。


―ちょっと聞こえてました(笑)。

そうなんですよ。まさかの想定外のことが起きて、どうしようと慌ててしまったね。


―予想外のトラブルに対応するのも大変だったんだね。
報告会作っている中で印象に残っているエピソードはありますか。

一つは、さっきのアンケートの話の中で、IVUSAの“熱意は人を動かし、社会を動かす”の熱意は人を動かすという部分をすごい実感したな。二つ目は、自分の話になってしまうけど、作業している時に結構孤独だなって感じてしまうことがあったのね。でも、そういう時に少し顔をあげて相談したらいろんな人が手を差し伸べてくれた。夜中の3時に電話して相談に乗ってくれる先輩がいたり同期や後輩がたくさん声を掛けてくれたの。仲間の大切さに気付かされましたね。今思えば孤独ではなかったなと思えるね。


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写真左上:澤崎よしはるさん 右上:山本みくとさん 右下:島野かなこさん

―ちょっと鳥肌立っちゃった。リーダーのような組織を動かす立場は初めてだったの?

そうそう。クラマネになったばかりで、自分に一番の責任がある状態で何か大きいことをしてみたいなと思って報告会のプロマネに挑戦してみたんだよね。


―そっかそっか。そこでちゃんと周りの人が手を差し伸べてくれたんだね。

そうなの。とても嬉しかった!


2.苦手を克服する

―次にロジマイスターについて聞こうと思います。まずはどういう資格なのかを教えてほしいです。

ロジマイスターは、ドライバー兼装備マイスターと、調理兼装備マイスターというようにドライバーと調理で分かれているのね。私は調理の方を持っています。また、この資格の二つの役割としてはプロジェクト自体の責任を持つことと、後輩の育成をしていくことです。特に前者に関しては、例えば車での事故や、調理でのガスの扱い方のミスによって人が亡くなる危険性があるのね。だから、マイスターの資格を持つ人は、人の命を預かっているという責任感を持って活動に臨んでいます。


―ありがとう。ちなみに晴ちゃんはなぜロジマイスターを取ろうと思ったのかな。

私は、結構何でもやってみたいと思うタイプだったから、先輩に誘われてやりたいです!と調理の経験があまりない中で勢いで取ることになったんだよね。でも、そもそもロジをやりたいなと思った理由はロジをやっていた先輩がかっこよかったことと自分の苦手なところだったから。どちらかと言えば、人と話す方が好きだし裏方よりも目立つ方が好きなタイプなんだけど、ロジのその場で判断して的確な指示を出すような動きながら考えるというのが自分は苦手だから克服するためにロジに挑戦したんだ。


―そうだったんだね。しっかり自己分析ができているね。

ロジマイスターを取ったけど自分の中ではまだだなと思っているので、もっと頑張らないといけないなと思っています。


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―今は軒並み活動が中止になっているから活かせる場所がなくて難しいよね。マイスターを取ってからどこか行けた?

3月に琵琶湖清掃で調理を1回やれたね。


―おお、それはよかったね。取ってから何か変化はあった?

取ってから講習で学ぶ知識はもちろんそこでできた繋がりがあるから、さらに先輩に教えてもらえることが多くなったかな。あとは、マイスターを持っている自覚が出てきて中途半端なことはできないなと自分の中でビシッとなったね。


―そっかそっか。少し背筋が伸びたんだね。

そうだね。


3.一人前になりたい

―晴ちゃんは夏プロはどの活動に行く予定だったの?(柴田)

夏プロはオオバナ*2、九十九里*3 と琵琶湖清掃の三つの活動に行く予定でした。九十九里と琵琶湖清掃は、ロジでオオバナは、ロジマネで参加する予定でした。


―そんなに行く予定だったんだ。すごいね。オオバナの活動について詳しく聞いていきたいと思います。まず、オオバナの活動の目的について教えてください。

今回の活動の目的は、オオバナミズキンバイという外来水生植物をなくすための基盤を作ることなのね。オオバナは、少しでも残っているとすぐ再繁殖してしまうし、一回の活動で一切なくすことはほとんど不可能な話なんだ。だから、琵琶湖のある滋賀県は、一度大きな群落を伐採してまた生えてきても、小さい群落のうちに見つけてすぐとるようなオオバナを管理できている状態を目指しているのね。私たちIVUSAもその方針に則って、現地の環境団体の方々にオオバナの脅威を勉強会を通じて伝えつつ、当日は一緒にオオバナの大群落をとろうとしてた。そして、今後IVUSAが関わらなくても環境団体の方々が管理できるようなシステムを作れば、未来のオオバナをなくしていけると考えたんだ。


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―なるほど。未来のための第一歩の活動ということですね。

そうだね。


―オオバナの活動に対して持っていた意気込みを教えてください。

まずは、初めてのロジマネ*4として、ロジとして一人前になりたいという思いが大きくありました。さっきも話したように、マイスターではあるけどまだまだだと思っていたので、ロジのトップの立場ではあるけれど、ロジの四年生の先輩方からも様々なフィードバックをもらい経験値を上げつつ、ロジとしては一人前になりたいという思いで臨もうとしていました。


―なるほど。

あとは、他の幹部の方は4年生だったのね。四年生は、来年にはいなくなってしまうし、この西日本で最大プロジェクトと言われているオオバナの活動で、未だにOBさんとのつながりがあるからこそ途切れさせたくないし、衰えさせたくもない、自分がこのまま大きく引っ張っていきたいという思いがありました。それはもちろん、対外との関係性や後輩育成など来年につなげることを凄い意識してやっていました。


―しっかり先を見据えながら活動に参加しようとされていたんですね。
オオバナは今回で何回目の予定だったの?

プロジェクトは初めてだったけど、年間チームで単発の活動を沢山やっていたの。1年生の時と、あと2年生はカナダに留学してから帰ってきてから行ってたね。


―今回活動が中止になって、悔しいと思うんだけど、そういった思いを今後どこにぶつけていきたいですか。

コロナが収まってもし延期で秋に活動ができたらやりたいと思っているから、もちろんそこに全力をぶつけたいね。オオバナの活動はオオバナの見分けがつかなくなってしまう影響で春プロがないから、4年生と活動できるのは秋が最後になってしまうと思う。だからこそ、そこにぶつけたいね。


―活動できるといいね。
オオバナの活動を通して学生のすごさを感じるような場面はある?

他の活動であまり作り手をやっていないからオオバナだけではないのかもしれないけど、オオバナの活動の関係者って、すごい多いんだよね。滋賀県庁の方々、漁師さんや地元NPO団体、地域住民の人など幅広い方々が関わってくださるんだ。そこで、大人の異なる組織をつなげることができるのは一番しがらみのない学生なんだよね。
オオバナに関して、学生よりも大人の方々の方がスキルなどを沢山持っているけど、立場を生かして他の人たちをつなげられるのは学生のすごさだなと思います。


―たくさんの人に関わってもらえるのは、学生の力が寄与されているからなんだね。

オオバナは行ったらわかると思うんだけど、漁師さんなどから「頑張れるよ、ありがとう」と、とても感謝されるのね。オオバナを抜くのは正直大変だから、学生と一緒にワイワイ楽しく大人数でやる方が単にオオバナだけがなくなるだけではなくて、漁師さんのモチベーションを上げられるのも学生のすごさだと思っています。


―なるほど。大変な作業だからこそ、学生のパワーが大事になるんだね。


4.今、思うこと

―今コロナの終息が見えない中で、学生のモチベーションが持続しなかったりプツンと切れてしまう人がIVUSAの中で多いと思うんだけど、そういう状況のなかで、IVUSA全体として今後どう乗り越えていけばいいんだろう。

多分、正直みんなオンラインに飽きてきたのかなと思う。


―うん(笑)。

私も、正直会いたいし、飽きてきたんだよ。こないだ一回だけ少しコロナが落ち着いた時に勉強会を対面でやったんだけど、本当に楽しかったんだよね。オンラインはこういう風に関東の子たちと喋れる機会があるのは凄い楽しいし、良い所だなと思う。だけど、今、オンライン一択なところがあるけどオンライン以外の大きな方向転換は絶対必要だなと凄い思う。そうじゃないと、このまま消えて行ってしまうような気がしてる。だからといって、具体的なものが思いついているわけではないんだよね。難しい。


―確かにね。どうにか新しい形で変化をもたらすことは必要なのかもしれないね。

そのアイディアがないからこうなっているのだと思うけど、今できることはいっぱいあるとも思うね。コミュニケーションが取りにくい中で自分が中心になって集まる場を作ったり、皆のテンションが下がっているときに「頑張ろうよ!」声を掛けていくとか活動できるようになった時のための種まきなどをたくさん行っていけたらいいな。


―IVUSAに限らず今後の大学生活でやっておきたいことはありますか。

IVUSA以外だったら、まだ明確な将来の方向性が決まってないんだけど、漠然と支援を必要とする方々の支援を行っていきたいと思っているよ。今ホームレスの支援を行っているNPO法人にインターンに行ったり、障がい者施設のバイトに申し込んだりしているから、将来的にもやり続けていきたいんだよね。ただ、自分がどの社会問題に向き合っていくのかが決まってない。だから、それを探すために色々な現場に行っています。あとは、せっかく英語を勉強しているからそれも生かせたらいいな。


―カナダに留学したって言ってたもんね。

もしできるのなら、もう一回留学にも行ってみたいな。


―社会問題に対して携わりたいという気持ちがすごい伝わってきました。社会問題に対して自分からアプローチをしたいと思ったきっかけはありますか?

それこそ去年のカナダの留学の経験は大きいかな。現地で友達になったカナダ人の子が、300人くらいのホームレスがいる大きいキャンプでボランティアをする団体に入っていて、そこに誘ってもらって行ったんだよね。そこで初めてホームレスの人と関わって私たちと何も変わらないなと思ったんだよね。だからこそ、今までの自分がそういうホームレスの人とかに対して偏見を持っていた事にも気付いた。


―そういう気づきって実際に行かないと分からないよね。

本当にそう思った。例えば障がいを持っている子がいたとして、世間的にはそれを悪く言う人がいたりそういう目で見られるかもしれないけど、でも、それも一つの特徴なのかなと思ってる。言葉に表すことが難しいんだけど、そういう人は生きにくいんだろうなと思ったときに、自分ができることって何か無いかなと思ったんだ。


―そのホームレスのキャンプに連れて行ってくれた子にはある意味感謝だね。

そうだね!その子とは今でも仲良しなの!


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5.あなたにとってIVUSAとは?

―最後の質問です。あなたにとってIVUSAとは ?

「挑戦の場」かな。私はIVUSAで変われたから、すごく感謝しています。学生の今だから、IVUSAっていういわゆる下にクッションが引かれてるような、失敗しても何回でもまた挑戦できる場所だと思っています。私は、これからも挑戦し続けたいです。だから、「挑戦の場所」かな。


―なるほど。
今日は、ありがとうございました。

ありがとうございました。


編集後記:伊藤さき

最後の質問のあなたにとってIVUSAとは?で、「挑戦の場」と聞いた時、まさに晴ちゃんのIVUSAでの活躍を表しているぴったりな言葉だと思いました。これからの益々の活躍を応援しています!

取材:伊藤さき(國學院大學3年) 柴田大輝(神奈川大学3年)
編集:伊藤さき

*1:三重県熊野市熊野大花火大会活性化活動

*2:オオバナミズキンバイ除去活動

*3:千葉県九十九里浜全域清掃大作戦

*4:ロジスティクスマネージャーの略。隊員の移・食・住の確保や当日作戦の立案を行うロジスティクスの全体統括。