IVUSA TIMES

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第122回「居場所」平野裕真さん

第122回となるIVUSATIMESは群馬高崎クラブの平野裕真さんにインタビューしました。クラマネ選挙、学生代表の応援演説を経験し選挙管理委員長に就いた想いや日本一高齢化が進む群馬県南牧村で始めた活動、飯山での地域活性化を通じて得たものとは?どうぞ、最後までご覧ください!

今回のメニューは、

の6本です。お楽しみに!

━では、自己紹介をお願いします。(竹内)

高崎クラブ4年の平野裕真です。よろしくお願いします。

1.選挙管理委員長になったきっかけ

━裕真さんは東日本の選挙管理委員長をされていますが、選挙管理委員長になったきっかけはありますか?(竹内)

自分は選挙に対しての想いが強くて、その理由が二つあるんだけど。一つ目は、2年生の時の選挙でクラブマネージャーに立候補して自信がついたこと。二つ目は、3年生の時に28期学生代表の北野裕也君の応援演説をやらせてもらって人のために話す経験ができたこと。選挙って人が変わることができる場所だと思っていて、選挙をきっかけに自分を変えることができた人、演説者の想いを聞いて影響を受けた人、そういう人ってたくさんいると思うんだよね。もちろん自分も選挙に影響を受けたし、他の人にとっても選挙がそういう場であったら、それってすごく素敵だなと思う。だから立候補者や応援している人、演説を聞く人すべての想いを全部背負える仕事である選挙管理委員長をやることにしました。


━私は去年、裕真さんの応援演説を聞いたのですが、途中笑いも挟みながら、最後には人に訴えかけるような話し方をされていて、本当に凄いなと思ったんです。(竹内)

実はあまり人前で話すのが得意ではなくて、いまだに人前に立つと手が震えることがあるんだけど、クラマネ選挙の時はどうしても想いを伝えたかったから沢山練習した。ちょっと泣きながら話したり、マイクを置いて叫んだり色々工夫したな。その結果、自分の演説を聞いて泣いてくれる先輩がいたり、一緒に選挙に出た同期が「クラマネがお前でよかった」と言ってくれたりした。しかもその演説を会場で聞いてくれていた北野君が、次の年に「学生代表の応援演説をやって」と言ってくれて…。今まで人前で話して褒められたことがなかったから、そこはすごく自信になったし嬉しかった。

━そうなんですね!裕真さんは応援演説や高崎クラブのクラマネとして選挙に出たとのことですが、立候補者と選挙管理委員会との交流や繋がりはありますか?(竹内)

話し方講座を選挙の少し前にやらせていただいて、関西の選挙管理委員長の山辺君と一緒に4年間の経験をもとにどうしたら人に伝わる話し方ができるかという講座を開きました。


━話し方講座はどんな事を教える講座なのですか?(竹内)

どうしたら人に想いが届く演説になるのかというテクニックや、自分のこれまでの経験を踏まえた成功体験や失敗体験からアドバイスをしました。

━ありがとうございます! (竹内)


2.例年と異なる選挙

━コロナ渦での選挙管理委員会として例年と異なることはなんですか?(竹内)

一番は選挙の方式がオンラインに変わったことかな。今まで紙に丸をつけていて、それを集計する時間と労力が必要だったんだけど今回は全部スマートフォンでできるようになりました。


━例年は選挙当日に裏で集計をしてくださっていたのも選挙管理委員ということですよね?(竹内)

そうそう。各クラブに1人選挙管理委員がいて、司会や開票をしています。


━結構仕事が沢山ですね!(竹内)

沢山あって大変です(笑)。でもそれだけ大切なイベントだと思ってる。


━今までとは方式が違って大変だなと思った部分はありますか?(竹内)

自分が大変というよりも、立候補者が大変だなと感じています。本来だったら直接目を見て聞いている人に訴えかけたいはずなのに、オンラインで画面越しというのは少し可哀想だなと思っていました。実際はそんなことはなく、画面越しでもしっかり想いが伝わってきて、感動しました。


3.高齢化が進む南牧村での活動

━ではもう1つのテーマである、地域活性化について聞きたいと思います。裕真さんは日本一高齢化の進んでいる群馬県南牧村での活動の立ち上げに関わったということですが、どうして南牧村に着目したんですか?(竹内)

個人的に日本一高齢化の進んでいる南牧村で活動したいと思っていたし、クラブの方針として社会問題の解決を目指すというのを掲げていたから、やるしかないなと思った。きっかけは、あるIVUSAのOBとSRTの研修*1の時に知り合いになったこと。その方が僕が来期クラマネになるということを覚えていて下さっていたんだよね。それで群馬県の南牧村で地域おこし協力隊として働いている鰐淵(わにぶち)さんとつないでくれた。

━最初からIVUSAとして動いていた訳ではなくてOBの方とのコネクションから始まったんですね!具体的に南牧村ではどんな活動をされているんですか?(竹内)

地域おこし協力隊の鰐淵(わにぶち)さんが南牧村の子どもたちと一緒に遊ぶ活動や、子どもたちに勉強を教えるような企画をやっていて、そのお手伝いをしました。その他に英語を使って遊ぶ企画やハロウィーンパーティーやクリスマスパーティーなど季節のイベントを一緒にやっています。

━子どもたちにとって普段あまり関わる機会がない大学生と遊べるのは良い点ですよね!(竹内)

そうなんだよね。周りにおじいちゃんおばあちゃんしかいなくて、大学生くらいの年代と関わる機会が少ないからか、行くだけですごく喜んでくれて何回か行っていると顔を覚えてくれる!やんちゃな子もたくさんいるけど(笑)。


━そうなんですね!楽しそうです。 今は子どもたちとの交流をメインでされていると思うのですが、今後南牧村で挑戦してみたいことはありますか? (竹内)

空き家関係のボランティアができたら良いなと思っています。高齢化が進んでいるだけあって空き家が多いというのも問題になっていて。すぐに実行に移せるか分からないけれど、空き家を頑張って借りて、リノベーションするとかができたら事業の幅がかなり広がるかなと思っています。学生だけでカフェとかできたら楽しそう。

━すごいですね! (竹内)


4.飯山での地域活性化

━飯山の地域活性化のボランティアにもスタマネとして携わっていたということですが、飯山ではどのような活動をされていますか?(竹内)

夏、2月、3月と1年間で合計3回の活動をしているんだけど、夏は古道整備をしてそこを観光地にしようっていう活動、2月は「いいやま雪祭り・信濃平かまくら祭り」という大きいお祭りを手伝う活動、3月は「雪と光の祭典」というお祭りを学生が企画して、スキー場でイベントを行っています。


━そうなんですね!今まで地域活性化に携わってきて大変だったと思うことはありますか?(竹内)

スタマネをやっていた3月の「雪と光の祭典」なんだけど、学生側のやりたいことと地域の方のニーズがマッチしてないなと思った。学生側は飯山を盛り上げましょう!と言っているけど、地域の方は別にそこまでの熱じゃないというか。どちらかというとスキー場が人手不足なので大変という感じ。学生と地域の方のギャップを感じて何をしたらいいんだろうって考えるのが難しかったかな。

━ギャップがあるんですね。(竹内)

3月の「雪と光の祭典」では学生はお祭りを通して戸狩の魅力を発信して、1年を通して観光客に戸狩に来てもらえるようにしようという目標を掲げているんだけど、スキー場の方はあまり余裕がないみたい。だからこそ、一度原点に戻って地域の方の声をしっかり聴こうとしていたんだけどコロナの影響で活動が中止になっちゃった。


5.地域活性化で得られるものは?

━大変なこともたくさんあると思うのですが、地域活性化で得られるものはなんだと思いますか?(竹内)

企画力かな。地域活性化は他分野の活動と違って答えがない活動だと思っているんだよね。環境保護だったら拾ったごみの量や清掃が完了した所が目に見えて分かるけど、地域活性化は4年間活動に行き続けたとしても人口が増えることはないし、お祭りの知名度が急に上がることもない。けど答えがないからこそ考える機会がある、だからアイディアを出して企画する力がつくのかな。飯山が特にそうなんだけど、現地の人に「こうやったら飯山は活性化すると思います」という意見を提案する機会が多くて。答えはないけど、自分の思う答えやゴールは提示できる、それが現地の人に伝えられるというのは良い経験だったな。

━自分の提案が実現したらさらに面白そうですね。(柴田)

あとはおじいちゃんおばあちゃんと話す機会って意外とないから、自分より年上の世代の方と話す時にこういう話題だと盛り上がるかなとかが分かることは将来役に立つのかなと思う。


━地域の方とはどんな話をすると盛り上がりますか?(柴田)

なんだろう…。昔やってた部活とか出身地の話題は盛り上がるかもしれない。

━決してお固い話ばかりと言うわけではないんですね。(柴田)

そうだね。自分たちの話よりも、現地の方の話を聞くことに徹すると楽しそうに話してくださる。


━先ほど学生だけでは地域活性化はできないとおっしゃっていましたがIVUSAが地域活性化に取り組む意味はなんだと思いますか?(竹内)

今まさに目の前に困っている人がいる、その人のために活動するというのは大事だし意味のある事だと思う。けど、地域活性化とは言っても結局その地域の人が本気にならないと変わらないんじゃないかな。地域活性化の成功例っていくつかあるけど、それは地元の人が頑張った結果の表れだと思う。学生ならではの発想を伝えて、学生がこんなに本気でやっているというのを見てもらって現地の人に自分達も頑張ろうと思ってもらえたら、それが地域活性化なんじゃないかなと思います。

━確かにIVUSAにも「熱意は人を動かし、社会を動かす」という言葉がありましたよね。九十九里浜の活動も学生がゴミを拾っている姿を発信することでゴミを捨てないことに繋げるという想いもあるので根本は地域活性化も環境保護も同じなのかなと思いました。(柴田)

たしかに!


6.あなたにとってIVUSAとは

━最後にあなたにとってIVUSAとはをお聞きしたいです。(竹内)

僕にとってIVUSAとは「居場所」かな。IVUSAはお遊びのサークルではなくて熱意を持った人たちが本気で社会に挑む団体だと思っていたから、高崎クラブのクラマネに立候補した時の公約にも社会問題に取り組むというのを入れた。ただ楽しむだけの場所とか居場所を目指したクラブは良くないと思っていたんだけど、今となって振り返ると大切な居場所だったんだなぁと。自分を必要としてくれる人がいたり、こいつと一緒にやりたいと本気で思ったり、優しい先輩や慕ってくれる後輩がいたり居場所じゃないものを目指した結果、思い返すと自分の居場所になっていたなという感じです。

━そうなんですね!今日は貴重なお話をありがとうございました!(竹内)

ありがとうございました。



今回は同じ高崎クラブである平野裕真さんに取材させていただきました。クラマネとして人前で話す姿をよく見ていたので、実は人前で話すのが得意ではないと聞いて驚きました。聞きたいことが多すぎてテーマが複数になってしまいましたが、選挙でも地域活性化でも、人の想いを大切にされているということが伝わってきました。編集後記:竹内栞

 
インタビュー:竹内栞(群馬県立女子大学2年)柴田大輝(神奈川大学2年) 松本瞬(国士館大学3年)
編集:竹内栞(群馬県立女子大学2年)

*1:Society Reflect Training(社会理解講習)の略。自分たちが生きている社会がどのような課題を抱えているのかを知るとともに、課題解決のために、自分たちに何ができるのか考える。