IVUSA TIMES

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第119回「魅せる場所」松井慎太郎さん

第119回目となるIVUSATIMESは、28期運営本部副本部長の松井慎太郎さんにインタビューしました。今期は役員選挙が2月に延期になったこともあり、ようやく選挙が近づいてきました。砧クラブのクラブマネージャー、そして運営本部副本部長を経験された松井さんならではの選挙のエピソードやコミュニケーションの取り方、さらに松井さんの愛称である「なめろうさん」の由来についても伺うことができました!どうぞ最後までご覧ください!

今回のメニューは、

の4本です。お楽しみに!

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―まず、最初に簡単に自己紹介をお願いします。(田村)

東京砧クラブ4年松井慎太郎です。運営本部副本部長を務めております。みんなからはなめろうさんというあだ名で呼ばれているので、なめろうと呼んでくれたら嬉しいです。

―はい!その愛称は僕もよく耳にします。どうしてなめろうさんというあだ名がついたのですか?(田村)

―それは私も知りたかったです(笑)。(伊藤)

なめろうになった理由は2つあって、1つは、インド生活支援活動に行ったときに、自己紹介で好きな食べ物はなめろうって紹介したことがきっかけだった。ちなみに2人はなめろうっていう食べ物知ってる?

―聞いたことはないですね…。(伊藤)

アジのたたきに似ている食べ物なんだけど、居酒屋にはあるかな。自己紹介で言って気づけばあだ名がなめろうになっていたんだよね。2つ目は先輩のことをナメている慎太郎でなめろうになった。はじめて聞いたらやばいよね…(笑)。

―そうですね(笑)。そういう背景があったんですね。(田村)


1.運営本部の仕事

―運営本部で仕事をされているということですが、具体的には何をされているんですか?(田村)

クラブ運営が円滑に進むようにサポートをしていきます。各クラブに合わせたサポートと全クラブの共通事項としての方針決定の2つが主な仕事です。


―いままで運営をしていくにあたって、苦労した経験はありましたか?(田村)

めっちゃあった。俺は3年の時クラブマネージャーをやっていて、1つのクラブ内ではできたことも、運営本部ではしっかりした準備や段取りを踏んでいかないと頓挫するというか、そう簡単に動くわけではないんだと感じた。それぞれのクラブで状況がかなり違うからベストな答えを見つけていくというのは難しかった。
例えば去年の新歓は新型コロナウイルスの影響が出始めていた頃で、地方のクラブだったら対面でも可能だったかもしれないけど、東京は感染が広がっていてできなかった。だから、去年の新歓はうまくサポートをしてあげられなくて、会員数も減って、悪い方向に進むきっかけを作ってしまったかなというのが、挫折というか、失敗かな。
でも、実際に大変だったのはクラブだから。現場にいる人たちがいて初めて成り立つ部分はあるからね。幹部が大変大変っていうとなんか…あんまり良くないかなと思ってる(笑)。


―なるほど。逆に良かったな、上手くいったなという点はありますか?(伊藤)

やっぱり運営本部にいる者として1番嬉しいのは後輩が育つことかな。去年はコロナ禍で正直IVUSAはもう続かないんじゃないか、29年目を迎えられないんじゃないかと思ったけれど、それでも来期に向けて動いてくれる後輩がいる。そういう後輩が1年間でじわじわと増えてきたことは、非常に今年の成果ではあるかな。例年よりも重みがあると思う。


―クラブの運営をする中で、いつ頃から幹部になろうと考えていましたか?時期やきっかけはありましたか?(田村)

明確に幹部を目指そうと思ったのは3年生でクラマネをやっていた時かな。1年生の春にインドに行った時にいたメンバーの人たちが、クラマネや役員、幹部など役職についている人ばかりで。先輩達を見て純粋に格好良いなと思って、自分もそのポジションに就いてみたい憧れがあった。
それとすごく傲慢極まりないんだけど…関東のクラマネで幹部になりそうな人があんまりいなくて、俺がやるしかないと思った。1つ上の先輩の代はクラマネを経験した幹部がいなかったんだよね。それが幹部とクラブマネージャーの溝を生む原因の1つになってしまったから、それは避けたいと思って。

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インドの活動にて

―そういう背景があったんですね!なめろうさんは真面目で仕事がバリバリできると噂の方だったので本当にそのような感じですね。(田村)


2.クラマネ、幹部を経験して

―なめろうさんは選挙の期間が始まってすぐにエントリーをしたという話を伺ったのですが、理由はありますか?(田村)

これはクラマネの時も幹部の時もそうだったんだけど、悩んで悩んで立候補出した人と、立候補するって決めて1番に出した人だったらどちらのほうが信頼できそうかと考えて…(笑)。中途半端に悩んでるのが格好悪いと思っていたし、立候補するからには潔くいきたいと思ってた。


―クラマネの時と幹部になってから行動や意識は変わりましたか?(田村)

変わった!クラマネをしていた時は人を使おうと思っていたのね。でもそれでは正直できることに限界があるなと感じた。それからは「人を動かせる人」を育成するという考えに変わった。何かをやろうとした時に自分は何もしない状況を作り上げることがこの1年、行動として意識してたことかな。

―なるほど。「人を動かせる人」を育成する中で、1番大事だなという力はありますか?(田村)

人を認めることかな。相手が自分と違う考えだと自分の意見を言いたくなるけれど、その前に一度、相手の意見を認めることはとても大事なことだと思う。人とのコミュニケーションって「こういう風にしたいんだよね」「あー確かにそれは良い」「逆にこういうのはどう?」みたいな投げかけ合いで初めて成立するものだと思う。
IVUSAは上に行けば行くほど、そうしたコミュニケーションをないがしろにしがちだけど、そこをしっかりとすることで、自分と相手の方向性が違っても、柔軟に話し合えると思う。それは非常に大事な力かな。

―それだけ経験をしている方だとやっぱり言葉の重みが違うなと思いました。(田村)

―納得できます。(伊藤)

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幹部選挙でのお写真

―これまでを振り返ってみて幹部を経験した感想はありますか?(田村)

自分がはじめに思い描いていた1年間ではなかったし、もっとやれることはいっぱいあったなっていうのが、1番最初に出てくる感想かな。

―コロナ渦で思い通りにいかなかった1年という風に僕も感じてます。プロジェクトも行けていない状況なので…。(田村)

確かにね。コロナ禍だからできることが減ったけど、逆にできることもある。捉え方は人それぞれだけど、幹部というポジションはコロナ禍だからこそできることを考えなければいけない立場なんだ。自分の思い描く姿にどう近づけていくかが大事なんだけど、やっぱり難しいからモチベーションを保つのも大変だった(笑)。

―なめろうさんはモチベーションを保つために何かしていたことはありますか?(田村)

自分が幹部選挙に出る時に書いた選挙公約を月に1度くらいのペースで読んでた。あれが初心だし決意表明でもあるから、絶対に自分の中で忘れちゃいけないと思って。

―なるほど。どんな選挙公約だったんですか?(伊藤)

公約は、1番目が魅せる運営、2番目が能動的なボトムアップ、3番目が誰かのために動ける人材の育成です。魅せる運営は人を惹きつけることでやりたいと思ってもらえる場所を作ること。能動的なボトムアップに関しては、先輩に対して後輩が自分から意見を言える状況を作ること。誰かのために動ける人材の育成については人手不足や誰かの悩みのために動ける。そういうモチベーションで動ける人を増やしたいということ。その三本は自分の軸として忘れちゃいけないなって。

―この公約を何度も見返していたんですね!軸があると強いなと感じました。(伊藤)


3.選挙へ出る人へ

―では、選挙に出る人に向けてメッセージをいただきたいです!(伊藤)

やっぱり役員になると、できることが増えるのが1番の魅力かな。ただ、選挙に出て役職に就くからには人前で話したり、皆に発信していく能力が求められるから人前で話すのが苦手な人は少し苦労するかも。でも「選ばれる」というステップを踏むことには価値があると思うし、今までと違う立場から組織や人を見るのは面白いから。その景色を「是非見て欲しいな」と個人的には思っているので、ぜひ勇気を出して選挙に出てほしいな。何か相談があればいつでも僕まで連絡ください(笑)。


―なめろうさんの選挙に関するエピソードってありますか?(田村)

クラマネの選挙結果のことかな。選挙の面白いところは、当日演説で勝てることだよね。俺の時はクラブから三人の立候補者が出たけど、期日前投票の時点で俺にはまったく票が入ってなかったの。だけど選挙当日、演説をめちゃめちゃがんばって、当日演説票だけで勝ったんだよね。

―へえ〜!(伊藤)

だから経験とかがなくても言っていることが素晴らしくて、理にかなっていて、「こいつについていきたい!」と思わせたらなれる(笑)。

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27期砧クラブ役員の方々

―言葉で人を動かしたんですね!では、これからのIVUSAがどんな風になって欲しいかというのをお聞きたいです!(伊藤)

1番思うのはIVUSAの学生にはお客さんにならないでほしいということ。自分達が主体となって、何かできることはないか考えながらやってほしいな。
IVUSAは社会で輝く人材というのを謳ってるけど、それは自分から求めていかないとつかみ取れないものだと思うんだよね。だから、IVUSAでよく言う自己成長って勝手に得られるものでは決してないと思う。努力をしないことには社会で求められる人材にはなれないから、ガツガツした人材がIVUSAに増えてくれたら良いなと思う。

―なるほど、「自分のためではなくて他人のために動きたい」と思える人材が入ることがIVUSAにとって1番いいことなのかなって思いました。(田村)


―今後の目標があれば教えていただきたいです。(伊藤)

はい、IVUSAには4年間しかいられないから自分にできることをやり切ろうと思っています。もし春に活動ができるのであれば、そこに全力を注ぎたいと思う。できないのであれば、できるような形を模索し続けたい。どうやったらできるだろう、どうやったら上手くいくだろうと常に考えてベストを尽くしたいなと思います。

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熊本県豪雨災害救援活動での様子


4.あなたにとってIVUSAとは

―最後に、「あなたにとってIVUSAとは」をお願いします!(田村)

はい、これを考え続けた4年間でした(笑)。1年生の時に初めてIVUSATIMESを読んで、いつか取材されたいと思っていたんだよね(笑)。

―ありがとうございます!(田村)

僕にとってIVUSAとは「魅せる場所」です。幹部選挙の公約で「魅せる運営」と掲げたんだよね。その原点はどこだろうと振り返ると、3年生の時に初夏トレーニングで俺の仲間が言っていて、雷鳴が降りたように「うわ!これだ!」って思った。魅力的に感じさせることで人を動かしていく。熱意は人を動かすっていう部分は「魅せる」ということなんじゃないかなって。主体的なIVUSAであり続け、地域や社会に対して、学生の力を魅せつけていく。惹きつけるような、やりたいと思わせるような場所であってほしい。俺が見てきたIVUSAはそういう場所だったって感じです。

―「魅せる場所」は今までにないですね!初めてかもしれないです。本日は貴重なお時間をありがとうございました!(田村)

ありがとうございました!

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編集後記:竹内栞

3000人を超えるivusa会員を相手にする運営本部の仕事は、リーダーシップやコミュニケーション能力、計画性など多くの力が試されるのだと知りました。「人を動かせる人」を育成するというのも、松井さんが1年生の時インドで先輩たちに憧れたように、松井さんの主体性のある行動を見て後輩も育っていくのだろうなと感じました!私はなめろうを食べたことがないので見かけたらぜひ食べてみようと思います!

 
インタビュー:田村龍也(神奈川大学3年),伊藤さき(國學院大學2年)
編集:竹内栞(群馬県立女子大学2年)